5411.2022年6月14日(火) 20数年ぶりの円安と株価下落

 円安が止まらない。これほどの円安は、1998年以来23年8か月ぶりのことだという。この3か月間に1ドルに対して円は20円も下落した。最大の原因と考えられているのは、アメリカの消費者物価が前年同月比8.6%となり、アメリカの物価上昇に歯止めがかからないことである。これを受けて物価高を抑えるためアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が、利上げを急ぐだろうとの見方が強まったことが円安に影響している。それと対照的に日本では日本銀行が長期金利を低く抑える政策を取っているため、円を売って金利の高いドルを買う動きが広がったと考えられている。それに加えて、資源価格の高騰も円安の大きな要因になっている。

 一方、東京株式市場では、日経平均株価が大きく下落した。週明けの昨日の株価が一気に836円も下がったうえに、今日も357円も下落した。2日間で1,193円、超1千円の大幅下落である。円安は輸出にとっては優位であり、電子機器などの外資系企業は、円安により今年も利益が膨らんだが、販売業では、スケールメリットを重視する大手チェーンなら凌げるが、価格を転嫁出来ない中小、零細企業では仕入れ価格の値上げにはとても対応しきれない。その影響は、100円ショップや、企業規模の小さい銭湯や、コインランドリーなどで顕著に表れているようだ。東京都内の銭湯は、このコロナの2年間に1,865軒の内、約200軒が消えてなくなり、今も毎月1,2軒ペースで廃業しているという。厳しい時代になったものである。

 実は、不振の旅行業にも強い関心と不安がある。今営業的にも苦しいとされている旅行業界のエージェントマンとして長らく働いていたので、古巣旅行会社の経営が気がかりだった。そこで今日会社の役員に会い、現実に厳しい実態を聞き、僭越ながら私なりの販促アイディアを話して来たところである。会社はコロナ前までは順調な経営だったが、コロナ以降多数の営業店舗を抱えていることもあり思うように収支が償えず、親会社に借りていた店舗を相当数返還した。かなりの社員に早期退職もお願いして、社員は約1/3にまで削減した。こうなると経営がままならない小企業では監督官庁から、旅行業者として営業資格にお墨付きをもらえない。そこでこれを親会社に譲る形にして、親会社の代理店業者に甘んじることになった。幸い親会社が箱根という国内でも絶好の観光地に交通、及び宿泊などいくつかのインフラ施設を抱えていることから、箱根のインバウンド商品に関するアイディアと、近い将来の復活期に備えて鉄道会社らしいツアー企画について話をして来た。

 私自身1971年当時親会社の旅行部門に勤務していたが、76年に親会社が海外旅行部門に乗り出すため旅行専門会社を設立した時、新しい旅行会社へ転籍し、爾来本格的に新会社で海外旅行業務に没頭したものである。その後2003年に退職するまで海外旅行業へ専念していた。それだけに懐かしさばかりでなく、ノスタルジアというべきか、現在の古巣への思いは尽きない。暗い現状を乗り切るために、後輩社員は毎日努力している。彼らのためにも1日も早くコロナ禍が終息し、再びかつての会社が自由に旅行業務を扱い、発展することを強く願っている。

2022年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com