ウクライナ情勢が大分危機と波乱をはらんできた。ヤヌコビッチ前大統領がロシアの庇護を求めたことで、ロシアは介入の正当なる理由ができたと都合よく解釈し、ウクライナの南部、とりわけクリミア半島のクリミア自治国家へロシア系住民の安全確保のためと称してロシア軍のウクライナへ武力介入を行った。先日までは国旗を隠した国籍不明の戦車や兵士が出没していたが、突如兵士らが国旗をかざし、ウクライナ軍の銃や武器を持ち出した。完全な他国への侵略、侵害である。
いくらロシア系住民の保護と理由をつけても手前勝手な道理は通らないし、他国への武力侵略であることに変わりはない。アメリカのケリー国防長官はロシアの行為を信じがたい侵略行為と強く非難した。アメリカを始め、ヨーロッパ各国から強い非難がぶつけられている。欧米は反発し、今年6月にソチで予定されるG8サミットの準備会合への参加を取りやめると発表した。
ロシア上院議長が「ウクライナには原発を含む危険な施設が数多くあり、警備をする必要がある」との声明は、何と虫の好い考えだろうか。どこの誰に対しても通らない論理である。ウクライナに侵略し、何とかクリミア自治国家を自国領土へ組み入れようとする覇権主義国家ロシアの化けの皮が剥がれてきたようだ。これではかつての冷戦時代へ逆戻りではないだろうか。
果たしてソチで開かれる予定のパラリンピックは無事開催されるのか。
中国と北朝鮮でも別の意味で怪しい行動が見られる。中国では昆明で新疆ウィグル自治区のウィグル人らしいグループが、刀物で群衆を襲いかかり30人近くの一般市民を殺害した。このところしばしば起きている中国国内における少数民族弾圧に対するウィグル人の過激なデモ行為である。
北朝鮮は27日の日本海に向けた4発のミサイル発射に続く、2発のミサイルを今日朝発射した。相変わらずお騒がせの国である。困った国だ。