5391.2022年5月25日(水) 旅行・観光産業競争力、日本が世界一

 昨日スイス・タボスの世界経済フォーラムが発表した2021年旅行・観光競争力ランキングで、日本はこの調査が始まった2007年以来初めて1位にランクされた。2年前の前回は第4位で毎回向上していたが、遂に世界で1番とは長年業界に携わりアウトバウンド、インバウンドに努めた私自身の経験からも嬉しくもあり、誇らしくも思う。
 2位はアメリカ、3位はスペイン、以下フランス、ドイツ、スイス、オーストラリア、イギリス、シンガポール、イタリアがトップ10だった。いずれの国も観光大国と呼べる国々である。

 日本がこの栄誉ある地位を占められたのは、交通インフラの利便性、自然や文化の豊かさ、治安の良さなどが評価された。

 現在コロナ禍のために外国人の入国が制限され、日本人の出国者も極度に減少しているが、日本の観光業が高く評価され1位になれたのは、ほとんど国家の恩恵にほ与っていないことが他の産業とは大きく異なる。ほぼ観光業界の自助努力によって今日の地位を築いたと言っても過言ではない。海外旅行は外貨の浪費であるなどと意図的に侮辱的な発言を繰り返し、旅行に持ち出せる外貨額に度々縛りを課した意地の悪い当時の行政には、今でも腹が立つ。近年外国人入国者が増えるにつれ、インバウンド業収入により観光部門の収益が、国家収入の増大に大きく貢献するに至ったが、これは観光業界が1964年日本人の海外旅行が自由化されてから長年に亘り、外貨の持ち出しにより観光収入の赤字が国家財政を悪化させているとして、国は観光業界を厳しく締め付けていた厳しい歴史がある。それでも観光業界の永続的で苦しい営業努力を続けた結果、アウトバウンドと一帯化したインバウンドを成長させることにより、旅行者の出入が増えたことで今日の評価を得られたと言える。ただ、残念なのは、この朗報がNHKは大々的に報道しつつも、共同通信社がニュースを流したが、各新聞はほとんど取り上げなかったことである。

 そういう経緯を考えても今更国土交通省や、観光庁に観光業が国家の財政を支える一翼を担うようになったなどと得意面をしてもらいたくないというのが、観光業発展の蔭の存在として奉仕してきた一旅行マンとしての気持ちである。

 さて、昨日日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国(クアッド)首脳会議を終えて昨夜3人の外国人首脳は日本を去ったが、バイデン大統領がワシントンD.C.へ到着と同時に、北朝鮮が3発のミサイルを発射した。かねがねクアッドの間に発射するのではないかと噂されていたが、3首脳が離日した時を狙って発射したというのは、日本だけに嫌味を与える目的のようにも思える。

 会議中には、クアッドでも批判の的となったロシアによるウクライナ侵攻に懸念を表明したが、ロシアは中国とともにけん制するかのように、それぞれ爆撃機2機をアジア太平洋地域の哨戒を目的に共同演習を実施したと両国国防省が発表した。

 今ではロシア、中国、北朝鮮の3カ国は国際社会にとって嫌がらせばかり行う厄介者となった。友好関係を取り戻すのは、当分無理だろう。

2022年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com