5390.2022年5月24日(火) ロシアにプーチン大統領の後継者?

 セルビアに住んでいる友人、山崎洋氏とこのところ頻繁にメールでやり取りしている。そこへ昨日彼がGoogleのメルマガ「オルタ広場」に投稿した論文「セルビアから見たウクライナ戦争」について知らせてくれた。早速読んでみた。旧ユーゴスラビアの解体や、コソボ独立に際してベオグラードでNATO軍の激しい空襲に遭い危機一髪の体験があるだけに説得力充分である。
 かなりのボリュームであるが、現地にいてこそ身体で感じる臨場感が滲み出ていると思う。親しい友人らにも論文をコピーしてメールで送ったところ、賛否両論の反響がかなりあった。

 ついては、ウクライナ情勢が一向に好転しないまま事態はどちらに優位に動いているのか、情報の受け止め方によっては、一進一退のように見える。プーチン大統領はウクライナ東部地区とクリミア半島を支配下に収めることが停戦の最低条件だと主張している一方で、今日ウクライナのゼレンスキー大統領は、NHKの取材に対して占領された領土を奪還しない限り、停戦には応じないと語った。これでは当分停戦の可能性はないと悲観的に考えてしまう。プーチンにとっては、始めた戦争を自ら終えるという気持ちは毛頭ない。最近では国内からも反戦の声が上がり出し、イラついているように思える。こうなると停戦への動き次第で、自らの運命にも終止符を討つ可能性もあるのではないか。そこで関係のありそうなニュースをネットで拾ってみた。

 そこに現在69歳のプーチンに重病説があり、その後継者がいるとの情報があった。その後継者として俄然浮かび上がってきたのが、プーチンお気に入れで大統領府局長を務めているドミトリー・コバリョフという、まだ36歳の身体が大きく頑丈そうな若者だという。注目されるようになったのは、先月行われた第二次大戦対独戦勝記念軍事パレードの際、プーチンに顔を近づけ長い間話し込んでいて、余ほど親しい人物でなければこういう場面は見られないという。父親は財閥オルガルヒの幹部で、他にも大統領側近とも親しいパイプを持っていて、プーチンの覚えも極めて良い。

 現在の健康状態ではこのまま長く現職に留まってはいられないプーチン大統領にとっては、来る6月12日のロシア建国の日を区切りにコバリョフ氏を後継者である大統領代行に指名するのではないかと蔭で噂があるようだ。ロシアの最高権力者が選挙で選ばれるのではなく、トップの指名で決まるというのは、いかにも秘密主義的で非民主主義的である。実際プーチンにしても、病気勝ちだったエルツィン前大統領から大統領代行に指名され、今日権力者の地位に就いた。これではいつまで経ってもロシアは民主主義国家にはなり得ない。

 特に、恐れられているのは、コバリョフ氏がプーチン氏にひけを取らぬほど血気盛んで強硬派で、後継者になれば、現在のプーチン体制に勝るとも劣らぬ「強いロシア」を目指して強硬姿勢に乗り出してくるのではないかと懸念されていることである。プーチンでは、世界に平和をもたらさず、さりとて後継者に若手のコバリョフ氏が指名されるなら、更に世界平和とは一層乖離していくことだろう。ロシア人という国民はどうして国際社会から毛嫌いされる「強い国家・ロシア」を求めるのだろうか。

2022年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com