5月開催のNPO法人「JAPAN NOW観光情報協会」総会に備えて、理事会が開かれた。その場で須田寛副理事長から最近出版された著書「東海道新幹線50年」をいただいた。須田副理事長はJR東海社長及び会長を歴任され、現在同社相談役を務めておられる。現在82歳であるにも拘わらず、今もご多忙で東奔西走して、その行動力には頭が下がるばかりである。これまでに出版されたご著書も相当数あるが、4年前に私も共著者のひとりとして「そこが知りたい 観光・都市・環境」(交通新聞社発行)を上梓した際、打ち合わせの折にその手際の良さとスピードには舌を巻いたことがある。
その須田さんが新年度の事業計画の話中に、ご自身は観光にカジノを組み込むべきでないとの信念を伺って、その考えに納得させられた。須田さんはカジノは集客産業であるので、経済効果はあるが、観光ではない、観光とは見ていないと仰っていた。確かにカジノは教育上芳しくなく、道義的に問題もあり、誰もが参加し、楽しめるという観点から考えれば、とても観光とは思えない。
政府が経済的な波及効果が大きいとして、カジノ法案を考え、一部の議員の間では積極的な声が聞かれるが、ことが闇の社会と結び付く賭博であるという点を考えれば、規制さえしっかりやれば大丈夫程度の感覚で実施するのは考えものだ。金になるなら何でも良いと考えているようでは、須田さんのように清潔な考えを持っている人の同意は得られまい。私はもちろんカジノなんか大反対である。
さて、オランダ・ハーグで行われた核セキュリティ会議の後、日本時間の今朝早く日米韓首脳会談が行われた。オバマ大統領の仲立ちで漸く顔合わせをした日韓首脳だが、相変わらずニコリともしない朴槿恵・韓国大統領の頑なな態度にはまだ日韓間の溝は深いと考えさせられた。日韓友好はまだまだ先の話である。3者会談の話し合いのターゲットは、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応を話し合いするというものだった。
ところが、この首脳会談を嘲笑うかのように、今朝2時半ごろその北朝鮮が日本海に向けて中距離弾道ミサイル「ノドン」を2発発射した。韓国国防省は国際社会に対する重大な挑戦と態度を硬化させているが、韓国のある大学教授は「日米韓首脳会談に対抗した形の発射で、圧力には絶対に屈しないとの意思を内外に誇示するための発射」とコメントしている。いつまでたっても子どもじみたアクションしか取れない北朝鮮だ。これでは近日開かれる日朝局長級会談も成果はないものとあまり期待できないだろう。