「銭形平次」の作者・野村湖堂が「野村あらえびす」という名で日本レコード評論の草分けとして知られていたとは寡聞にして知らなかった。小中陽太郎さんが昨年「野村湖堂文学賞」を受賞されたが、その縁もあって今日京王線仙川駅近くの「PLAZA GALLERY」で、「野村あらえびすコレクションから『ドイツの名曲を聴く』」と題するトーク・ショーがあった。
話されたのは小中さん、ドイツ文学者の高辻知義氏、あらえびすと私的に親しく盛岡中学の後輩にあたる太田愛人氏で、CD化された「あらえびすコレクション」のレコードを聴かせながら、あらえびすにまつわる話を伺うという趣向だった。珍しい試みに50人ばかりの小中ファンが集まり、普段伺えない話をたっぷりと聴くことができた。
改めて野村湖堂のインテリぶりと多彩な知識を耳にした。湖堂のレコード・コレクションは約7千枚もあったそうで、これを没後そのままにしておくのはいかにも惜しいということから、太田氏が記念館で展示の目玉として、それを2000年にCD化して公にした。湖堂はレコードの蒐集に随分熱意を持っていたようで、生前「平次で稼いでレコードに入れ揚げた」と自身述べていたというから推して知るべしである。
初めて仙川駅に降り立ったが、駅前広場に見事な桜が見られ、カメラに収めている人を随分見た。交番のおまわりさんの話では、いまは3分咲きだと言っていた。
さて、今日中国の習近平国家主席がドイツのメルケル首相と会談したが、自分たちのことより反日攻撃に時間を注いでいたという。日中戦争中日本軍により中国人民3千万人が被害を受け、南京では30万人が虐殺されたと訴えたという。事実関係を云々するより、いくらなんでもそれは言い過ぎではないかと思うのだが、最近中国側の言い分はどんどんエスカレートしている。白髪三千丈のお国柄だから、大袈裟はある程度理解できるが、この数字が年々変わるということが、証拠もなしの好い加減な点ではないだろうか。