5359.2022年1月13日(木) コロナ禍急拡大とフィリピン大統領選

 北海道から北陸地方にかけてかなりの雪が降り続いている。激しい積雪のため、道路の片側1車線が、両側1車線になっているところもあるようだ。除雪中に落雪で命を落とした人もいる。東北新幹線の大幅な遅れや、国内航空便もかなり欠航した。その点関東地方は北部の群馬、栃木県を除けば、大雪に襲われることがあまりないので助かる。

 この雪の中で、オミクロン株を主とする新型コロナウィルスの感染が再び拡大している。日本でもこのところ急激に感染者が増え出したが、世界保健機関(WHO)が公表したところでは、世界で9日までの最近1週間の感染者が、前の1週間より55%も増えて1,515万人になったというから驚くではないか。相変わらず感染者はアメリカが最も多く461万人で、以下フランスが160万人、イギリス122万人、イタリア101万人と、ワクチンが充分行き届かないアフリカ諸国より、先進国に感染者が多いのが意外である。こんなコロナ旋風が吹き荒れている中で、1か月後冬季北京オリンピックが開催される中国は、厳しい水際対策や、全員のPCR検査などの感染対策が功を奏しており、新規感染者の発生を封じ込んでいると自負している。しかし、世界で1日282万人、1週間で1,515万人を超える新規感染者が出ている中で、中国では昨日の新規感染者が僅か238人、死者に至っては今日まで5千人足らずで、昨年9月14日以降1人も出ていないというのだからすごいと言うより、信じられないと言うべきであろう。

 日本でも最近になって急激に増えだした沖縄県で、今日過去最多の1,817人が発症した。全国的にも昨日は13,244人となり、4か月ぶりに1万3千人を超えた。今日は更に増えて18,673人を数えた。懸念されるのは、医療従事者をはじめとするエッセンシャル・ワーカーが倒れて、医療が崩壊し、介護現場で支援活動が機能しなくなることである。現状では、我々国民はワクチンを接種して常にマスクを着け、ソーシャル・ディスタンスを保つ努力をすることしか対策はない。光明が見えない暗い世の中になってきたものである。1日も早くこの地獄から抜け出したいというのが、余生があまり長くない我々後期高齢者のせめてもの望みである。

 さて、来る3月に韓国大統領選、4月にフランス大統領選に続いて、5月にはフィリピンでも大統領選が行われる。個性的なドゥテルテ現大統領の任期終了に伴うものだが、出足が早かったかつて無敵だった元ボクシング世界チャンピオンのバッキャオ上院議員が、スポーツ愛好家から支援されているが、最近になって意外にも36年前にピープルパワー革命で倒された独裁者マルコス元大統領の長男、フェルジナンド・マルコス氏が巻き返しているようだ。同氏には、父親の独裁政治への反感が強い反面、ピープルパワー革命を知らない若者から支持されている。変わっているのは、彼はフェイスブックで出馬宣言したことである。選挙戦ではSNSを戦略に戦う意向だったが、グーグル社が選挙活動が始まる日から投開票日までの期間中、すべての政党と候補者に関する広告をグーグル検索の結果や、You Tubeなどに掲載しないと決めたので、マルコス派はこれにどう対応するだろうか。

 フィリピンの人口は、日本より少々少ない1億1千万人であるが、その内日本人より遥かに多い約9千万人がソーシャル・メディアの利用者だという。それを利用したマルコス氏の支持率53%はバッキャオ氏の8%より遥かに高いが、このグーグルの決定により選挙戦では、誰が勝ち抜くのか興味深い。韓国や、フランスの大統領選とは異なった視点から見守りたいと思う。

2022年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com