5358.2022年1月12日(水) 過疎化による地方都市の劣化と苦悩

 冬も真っ盛りという感じで北海道から日本海沿岸の東北・北陸地方では、かなり激しい豪雪状況である。北海道では吹雪となっている。特に吹雪の中を走行する車を見ていると、運転は大丈夫だろうかと心配になる。

 新型コロナウィルスの感染が拡大して観光業が特に大きな影響を受けているが、北海道の冬は、コロナに関係なく、特に影響が大きいらしい。雪の中での難しい交通アクセスの問題もある。旭川市に近い大雪山国立公園周辺では、かつて大きなホテルが3つあったが、近年その内2つが閉館した。観光客が減ったことが大きいが、ホテルにとっては経営状態が良くない中で、固定資産税と建物の維持費が固定経費として大分経営に影響を与えているようだ。だが、ホテルは閉館してもその所有者には固定資産税がかかる。沖縄のように季節を問わず、観光客が訪れるところでも、現状はコロナ対策の規制により経営は厳しいと思う。

 そこへ今夕の朝日によると北海道で経営が苦しいのは、アクセスの難しい秘境ホテルばかりではなく、駅前の一等商業地ですら経済的に立ち行かない都市と商業業種があるという。その最たる都市が、北海道の鉄道の要衝でもある滝川市である。JR滝川駅の前にある500mも続く商店街に往時の勢いがなく、シャッターが下りた商店が多く、その中にあったデパートも6年前に閉鎖された。昨年は駅前の商業ビルも閉鎖された。これには地方都市特有の過疎化という現代の課題がある。特にこの滝川市は、かつては炭鉱景気で賑わっていたが、閉山されてから、40年前のピーク時の5万3千人の人口が、今では3万9千人にまで減少している。そのため商業ビルの主要テナントだったスーパーストアが撤退して経営は益々苦しくなり、土地の所有者も固定資産税を払えず滞納して、挙句に市に対して資産の売却を求めているようだが、落日の都市にも財政的余裕がなく、中々話がまとまらない。これから同じような問題が、地方都市の間で次第に浮上してくるのではないか、気になるところである。

2022年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com