5349.2022年1月3日(月) 正月は新聞が面白くない。

 昨日青山学院大が往路優勝した箱根駅伝は、今日の復路では青山は一度もトップの座を譲らず、独走して復路優勝、と同時に2年ぶり6度目の総合優勝を果たした。おまけに10時間43分42秒は大会記録だった。2位に順天堂大、3位駒澤大、以下10位までは、東洋大、東京国際大、中央大、創価大、国学院大、帝京大、法政大の順位で、過去に度々覇権を争った常連校の東海大、早大、日体大、山梨学院大などは来年度優先出場権はなく、予選会に出場して本選へ出場を目指す期待外れの成績に終わった。

 さて、昨日と今日受け取った年賀状に改めて1枚1枚じっと読んでいるといろいろなことを想い浮かべる。かつての会社の上司、同僚、大学時代のゼミ仲間、同じく登山クラブの仲間、小中高の友人、親戚などから何通もいただいているが、その中に年齢的にもほぼ同年齢の友人ら6名から来年以降年賀状を辞退したいと書かれていた。中でも3人は私より若いが、傘寿を機に来年以降は年賀状を辞退したい意向が書かれている。絶対プラスになるからもっと書き続けろと檄を飛ばしたいところだが、こればかりは本人がそう望む以上押し付けるわけには行かない。まあ傘寿がひとつの潮時と考えて年賀状の辞退を申し出たのであろう。こうして年々歳々年賀状の交歓範囲が狭まってくる。ただ、体力的にどうしても書けなくなれば仕方ないが、私はそれまでは細々と年賀状を書き続けていくつもりである。

 ところで、元旦と今日の朝刊に目を通して、新聞がこのところ魅力的な記事が少なくなってつまらないなと感じた。あまり興味を惹くような記事が見当たらず、がむしゃらに読む気にならない。大きなニュースがないこともあるのだろう。それで日中は特別やることもないので、テレビを鑑賞するか、他のメディア月刊誌などに目を移すことになる。実は「NATIONAL GEOGRAPHIC」2022年1月号が、「2021 写真が記録した1年」と題して昨年の世界的大問題を4項目に分けて写真と解説で紹介している。「コロナ禍」「気候変動」「対立・紛争」「保護・保全」の4つのカテゴリーに仕分けしている。それぞれに代表的な写真を全190万枚から選択して掲載したものである。

 中でも昨年アメリカ軍がアフガニスタンから撤退して、タリバン政権復活となり政治、社会が混乱したうえに、新政権がイスラム教重視に拘り女性の差別化・蔑視を広言し、具体化したことに対して世界中から非民主主義的だと非難されている。そのアフガニスタンの国民にとって厳しい実情を浮き彫りにした1枚の写真が載っている。表紙に取り上げられた70歳の皺だらけの老婆の、悲しげで虚ろな表情のその写真が極めて印象的である。ハフィザというこの70歳の老婆の息子たちは、2人が政府軍に、1人が武装集団に、もう1人はタリバンに加わって敵と味方に別れている。「私の最愛の息子たちは互いを敵と見なして憎しみ合っています。来る日も来る日も涙を流しました。目が見えなくなるほど泣きました」と苦しそうに悲しげにこぼしていた。その写真が実に臨場感に溢れ、説得力に富んでいる。

 新聞に欠けているのは、このようなその場の臨場感である。何事もないような平穏な正月に、もう少し迫力のある記事を書いて読者を唸らせて欲しいものである。

2022年1月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com