5350.2022年1月4日(火) 妻の入院と中国の民主化弾圧加速

 予定通り今日妻が虫垂炎手術を受けるため、国立東京医療センターへ入院した。付き添って行ったが、病室への同行は出来なかった。入院中の見舞いは、1日に1度だけ、15:00~17:00に10分間との厳しい条件付きだそうだ。帰宅すると妻から電話があり、執刀は明朝9時からということだった。そんなに長い入院ではないと思っているが、しばらくはやもめ暮らしである。

 今日は会社、役所では仕事始めである。今年の株式市場もこのコロナ禍の中でどうなるか分からないが、それでも大発会は好調で、日経平均株価は、32年ぶりの高嶺だった昨年大晦日の終値に比べて510円高の29,301円で引けた。

 さて、中国政府の民主化弾圧は、このところ留まるところを知らない。一昨年香港で反体制的な言動を取り締まる国家安全維持法が成立して以来。同法の摘発で香港では民主派メディアがほぼ壊滅しつつある。すでに昨年6月に同法により日刊紙「リンゴ日報」主宰者が逮捕され同紙は廃刊に追い込まれた。先月末にはネットメディアの「立場新聞」を摘発し、主たる幹部を逮捕した。民主派は危機を察知して同じネット新聞の「衆新聞」が、一昨日に今日からニュース配信を停止すると発表した。衆新聞は、フェイスブックで「この2年間の社会の急速な変化とメディアの生存環境の悪化により、報道の自由を守るという私たちの理念を達成することが出来なくなった」と無念の声明を発表した。これで中国政府の指導に従った警察の取り締まりにより、香港では異論、反論がほぼ排除されたようだ。

 中国政府は香港で民主化勢力の弾圧、排除、駆逐を実施しながらお隣のマカオでは、巨大な資産家の抑圧に目を向け出した。賭博産業ではあるが、マカオ経済の屋台骨でもあるギャンブル産業、太陽城集団(サンシティグループ・ホールディングス)の最高経営責任者を逮捕したのである。この企業は、新型コロナ・ウイルスの感染拡大の影響を受けて撤退こそ表明したが、一時日本のIR事業開設を前提に和歌山県の賭博場に進出を計画したことがある。

 驚いたことにマカオの経済規模は何とラスベガスの6倍も巨大で、世界最大のギャンブル都市である。マカオ経由でいかがわしい金の総額が、22兆円を超えるとも考えられ、マカオのGNP(域内総生産)がやっとその四分の一強であることを考えると、いかにギャンブルの与える経済的影響が大きいかが分るというものである。賭博場の経営者を逮捕したところで、マカオに世界から集まるアブク銭を中国政府はどうしようと考えているのだろうか。

 今秋中国では5年に1度の中国共産党大会が開催される。最大の焦点は、「2期10年」とされる最高位共産党総書記の在任期限を迎える習近平総書記が、総書記の座を手放さず、異例の3期目就任を決めるかどうかである。昨秋の共産党中央委員会第6回総会(6中全会)で、習氏は中国共産党史上で3番目となる「歴史決議」の採択を主導した。そこで建国の父である毛沢東や、改革・開放路線を始め推進した鄧小平と並ぶ地位に、自身を格付けたのである。これによって3期目の続投は確実視されるようになった。独裁者・習近平が堂々衣を脱いだのである。

 6中全会で習近平総書記は、「2035年までに社会主義現代化を実現し、35年から今世紀半ばまでに中国を社会主義現代化強国に築き上げる」とぶち上げた。実現できるかどうかは何とも言えないが、こうした反面思い上がった権威主義と私利私欲が、いつか何らかの想像も出来ないパワーが生れてひっくり返されることは、かつての疑似社会主義、疑似共産主義の転覆の前例がある。今年も危なっかしく、国際社会で縦横に振舞おうとする猪突猛進型の習近平指揮下の中国は不気味で、要注意である。

2022年1月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com