2531.2014年4月18日(金) ポーランド「連帯」ワレサ議長をモデルにした映画

 東ヨーロッパの社会主義国家が崩壊した前後に、ポーランドの独立自主管理労組「連帯」を立ち上げリードしたレフ・ワレサ議長を取り上げた映画「ワレサ 連帯の男」を、3日前にアカデミー賞受賞作品「それでも夜は明ける」を観たのに続いて観賞した。この映画も以前からぜひ観てみたいと思っていたが、上映千秋楽の今日漸く「岩波ホール」で観賞することができた。監督は世界的に知られたアンジェイ・ワイダで確かに力作であると言える。

 東ヨーロッパ時代にポーランドの1造船所電気工でしかなかったワレサが、1980年にグダンスク造船所でストを指導し、全国的労働組合の委員長となってゼネストを行った。確かにその当時ワレサ議長の活動は国際的にも広く評価され、私も彼の民主的な行動力とリーダーシップは印象深く覚えている。この映画はワレサの知名度が買われてイタリアの著名なジャーナリストのインタビューに応えるという設定になっていて、それがこの映画のバックボーンとなっている。

 社会主義体制が崩壊して漸く自由を得たワレサらが、まもなくして表舞台から姿が消えた。その間身柄を拘束されたりして公から姿が隠れていたのだ。今年70歳のワレサ議長が、1983年にノーベル平和賞を授与され、1990年には大統領に推されたが、その後「連帯」が度々分裂を繰り返して力を削がれ、次第にそれほど注目を集めることはなくなった。ワレサの存在感は電気工としてグダンスク造船所でストを起こして自分たちの要望を当局に呑ませ、その影響力が国内の労働者を励ました行為とその時代にこそあったと思う。

 筋書きは弾圧、検束を繰り返すこの種の映画にありがちで、暗い部分が多いが、史実としてこういう時代にこのようなエネルギーの塊のようなリーダーが労働者を力づけ、国家解放のために活動したことを改めてPRする映画だったと思う。

 もうひとつ観てみたい映画「レイルウェイ 運命の旅路」があるが、それは来週の楽しみにしている。

2014年4月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com