2534.2014年4月21日(月) 泰緬鉄道「レイルウェイ 運命の旅路」を観賞

 最近観たいと思っていた映画3作品のうち、3作目「レイルウェイ 運命の旅路」を観賞した。今から半世紀以上も前に観たアカデミー受賞作品「戦場にかける橋」と舞台は同じクワイ川である。同じ戦争映画であるが。ストーリーはもちろん異なる。日本軍が泰緬鉄道建設のために労役に徴用したイギリス人捕虜に対する拷問に近い使役ぶりを徹底的に描いている。

 とりわけこの作品にこだわりがあるのは、30年以上も前に泰緬鉄道のタイ側カンチャナブリーとビルマ側モールメンを訪れたことがあったからである。特にカンチャナブリーは陸軍航空隊の人たちと、またモールメンにはこの鉄道建設に携わった陸軍鉄道第5連隊の人たちと現場を訪れたことがあるので余計関心があった。

 今日の作品では、心理的な面、特に元イギリス人捕虜が戦後になって戦時中の虐待がトラウマとなり、誰にも心を開かなかった悩みを描いている。主人公はニコール・キッドマン扮する新婚の妻にも話すことができずイライラが嵩じていたが、同じ捕虜仲間が自殺したことから、昔の戦地へ出かけ、偶然日本軍通訳に会って乱暴な話し合いにより漸く気持ちにケリをつけることができた。

 作品としては、半世紀前の秀作が、デヴィッド・リーン監督製作によりウイリアム・ホールデン、アレック・ギネス、早川雪洲らが出演し、テーマソング「クワイ川マーチ」が爆発的にヒットして大きな話題を提供したのに比べると、スケールは大分落ちる。副題を「運命の旅路」として600円のプログラムの表裏表紙いっぱいに描かれている列車の絵が何と、泰緬鉄道とは大違いのイギリス田園地帯を走る蒸気機関車とはちょっと雑ではないか。

 それに日本人通訳永瀬隆役を演じた真田広之は良いとして、戦時中の若い同人物石田淡朗はあまりにも顔つきが別人のようで、外国人ディレクターには分からなかったのだろうが、はっきい言ってミスキャストである。

 期待していた割には、少々物足りなかった。この春は3本の映画を観たが、結局最初に観た今年のアカデミー作品「それでも夜は明ける」が一番印象に残っている。

2014年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com