2535.2014年4月22日(火) 政府首脳の靖国参拝に反対する動き

 靖国神社の春季例大祭に安倍晋三首相は参拝こそしなかったが、真榊を奉納した。その前日には古屋圭司国家公安委員長が参拝した。その前には新藤義孝総務大臣が参拝した。外国人は靖国神社に対して、戦争犯罪人を祀った宗教施設と受け止めている。日本人としては大変残念に思う。ただ、東条英樹らA級戦犯が祀られているということはある面で外国人の見方は否定できず、現状ではいくら安倍首相の言うように国のために戦った方々へ尊崇の念を捧げると言っても世界の人からは、戦争犯罪人を崇めているとしか受け取られないのも認めざるを得ない。例大祭で参拝したのは、揃いも揃って外交オンチの大臣ばかりである。世界の受け止め方が正しいかどうかはともかく、靖国神社に対する世界の理解は現状では変わらない時に敢えてこのような行動を起こす必要があるのか。千鳥が淵墓苑にお参りするとか、他の方法がいくらでもある筈である。況やいま反日姿勢を強めている中韓両国がこの靖国参拝を手厳しく非難し、アメリカ政府も先の首相の靖国参拝について失望しているとのメッセージを伝えた後である。

 こういう情勢下で安倍内閣閣僚は外交関係の悪化なぞどこ吹く風で靖国へ出かける。彼らの本心はわからないが、敢えて外国の靖国に対する逆風の中で靖国参拝を強行しようというのは、外交関係をまったく斟酌しないということでもある。外交オンチも甚だしい。

 こういう政府首脳の軽率な行動が周辺諸国から不安視され、国の権威を失墜させている。その中で一部の戦没者の遺族らが、安倍首相が昨年12月に靖国神社を参拝したことで近隣諸国との関係が悪化したとして首相と靖国神社を相手に、憲法違反と今後の参拝の差し止めを求めて東京地裁に訴えを起こした。

 まだ注目を集めるほどの裁判にはなっていないが、こういう反靖国参拝の動きが生まれ、今後動きが加速する可能性はある。軽薄無思慮内閣はこれから外交問題を大きなテーマとしてどう捉え行動して、対立をなくすよう実際に動くのか、残念ながら頼りにならないだけに目が離せない。

2014年4月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com