5313.2021年11月28日(日) 力のある国会議員が掠め取る政策活動費

 先日国会議員に支給された「文書通信交通滞在費(文通費)」の支給日数の理不尽さが問題になったばかりだが、今度は政党から各政治家に所属政党を通して手渡される「政策活動費」の使い道について領収書がなく何に使われたのか分からず、また不公平な支給の仕方が不透明であると新たな問題が浮上した。政治資金規正法に則って支払われるが、政党から受け取った議員は、報告書に記載する義務がないため記載しておらず多額の政治資金の使途が分らなくなり、曖昧な支出の「抜け穴」となっている。

 国から個人に直接手渡した方がきちんと管理出来ると思っていたので、この支給の在り方についてはかねがね疑問を抱いていた。それが、昨日公開された2020年度の自民党の収支報告書によると支給されたのは、12人の議員だけで9億8千万円で、その内の6割以上に当たる6億3千万円が当時の二階俊博幹事長ひとりに渡っていたことが分った。更に最も多額の政策活動費が使われたのは、17年で19億円を越え、その内13億8千万円を同じく二階幹事長が受け取っていたという。この資金が党内で力の源泉となり、長きに亘って二階氏が幹事長の要職を占めることが出来た所以とされる。

 それにしてもこれでは国会議員のお金がどのように支給され、どう流れてどう使われているのか、さっぱり分からない。国庫、つまり税金から規則により正式に手渡されたものが、国民には一切分からないまま政治家同士の話し合い、それも力関係によって配られる資金の不透明さには、開いた口が開かない。どうしてこういう不透明でデタラメに資金を放出し、政治家の使い放題のまま放任しておくのだろうか。政治学専攻の大学教授も「政治活動費」と銘打っている以上、本当に政策の充実に役立っているのかを国民がチェック出来るよう、使い道を保証出来る仕組み作りが必要だと指摘している。また、こういう金銭感覚がマヒするような資金を無秩序に支給することが、彼らに公金を無駄に使い、政策にもバラマキを安易に考える下地を与えているのだ。

 政治家がこんなに甘い生業なら、頭の片隅にもなかったことだが、政治家になることを考えても良かったかも知れない。尤も家系には誰ひとりとして政治家になった者はいないので、「棚からボタモチ」のような世襲政治家にはなり得ないし、仮にも人から後ろ指を指される私利私欲に走るような政治家稼業には、家族も猛反対するだろう。

 さて、今日大相撲九州場所が千秋楽を迎えて、すでに昨日6回目の優勝を決めていた横綱照ノ富士が大関貴景勝を破り、初の全勝優勝を飾った。秋場所後に大横綱白鵬が引退してひとり横綱となったが、相手を寄せ付けず文句なしの優勝だった。度重なるケガで一度は三段目まで番付を下げながら復活した横綱には敬意を表したい。今日30歳の誕生日を迎えたそうだが、来場所以降の活躍を期待している。

 昨日は、熱戦の末プロ野球日本一の座も決まった。日本シリーズでセ・リーブで優勝したヤクルト・スワローズが、パ・リーグの優勝チームのオリックス・バッファローズに勝ち、4勝2敗で日本チャンピオン・チームとなった。20年ぶり6度目の優勝である。2年連続最下位から日本一の座を掴んだ。

 これから多くのスポーツはオフ・シーズンを迎えるが、来年2月には、冬季オリンピックが北京で開催されるので、日本人選手を応援しながら楽しみたい。

2021年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com