5312.2021年11月27日(土) 過剰な補正予算で国家財政は大丈夫か?

 今朝山内クリニックへ糖尿病の定期健診に出かけた。16日に東京医療センターでHbA1c数値が6.3に下がり、大分回復傾向にあると聞かされたばかりだったが、今日もその数値は同じで医師からも順調とのお話しがあった。気分を良くしていたら一緒に附いて来た妻が、九品仏へでも参りましょうかというので、初めて浄土宗浄真寺へお参りした。割合近くに住んでいるのに、これまで一度も参拝に訪れたことがなかった。正式なお寺の名は、「九品仏唯在念仏院浄真寺」とい、境内の入口には、仏の「品」には、「上品」「中品」「下品」を合わせて9つの品があるそうだが、九品仏はそれを表していて、本堂をはじめとしていくつかの仏堂には入口に「上品○○」などと書かれていた。境内は紅葉が最盛期を迎えようとしている時節で、赤や黄色の葉をつけた木々が晩秋を感じさせ、多くの人が写生を楽しんでいた。偶には、こういう落ち着いた場所を訪れてみるのも良いものだと感じた。

 さて、政府は昨日2021年度の補正予算案を閣議決定したが、驚いたのはその金額があまりにも巨額だったことである。歳出の総額が、何と36兆円弱である。補正予算としては過去最大で、財源の約6割を国債の発行に頼っている。これで当初予算と合算した21年度の一般会計の歳出総額は、142兆5992億円である。借り入れた国債の残高は、実に1004兆5千億円となり、1千兆円を超える。私が大学1年時の一般会計予算1兆4千億円のちょうど百倍に当たる。これで日本の財政状況は益々破滅的になり、先進国の中では断トツに借金第1位国である

 21年度補正予算ある程度歳出が増えるのは、この新型コロナウィルス感染の影響で経済が停滞し、貧困世帯に経済的なしわ寄せが及んだ点などから、国民から受け入れられるとっているただあまりに何でもかんでもバラマキ要素があるのを国会議員は何とも感じないのだろうか。細かく見ると、敢えて今年度に支出せずともよいのではないかと思える項目がいくつかある。例えば、国土強靭化推進のためと称して約3兆円が計上され、その中に自衛隊の国際情勢への即応的な対応として7千3百億円余が予定されているが、悪く言えばこの機をチャンスと捉えた火事場泥棒的なやり方ではないだろうか。

  各政党や国会議員が一番心しなければならない肝心な点が忘れられている。それは、このまま行けば、いずれ財政的に窮地に追い込まれ、国家財政が破綻することは目に見えている。それにも拘わらず、財政赤字を埋めるような補填策はもちろん、少しでも支出を減らそうとの意向や努力が見えないことである。コロナ禍を好いことに、あれもこれもと出費している。平素から財政再建が言われながら現実には一向にそれなりの政策が取られず、国の借金は増える一方である。今の100年に1度とも言えるコロナ禍に際して与野党ともバラマキ的な政策ばかり公約として打ち出している。これで将来の国の財政は健全性が維持されるのだろうか。自分の利得しか考えない政治家は、建前だけは立派なことを言うが、その裏付けとなる財政補填、財政再建については、何も考えず語ろうとしない。目の前のことばかり言って、しっかりした長期的な視点が欠けている。これではいずれ財政的に国家崩壊となってしまう。将来の若者たちのために、現代人が食い尽くして良いのだろうか。

 私には、危険な兆候に思えて仕方がない。せめてひとつでも良いから補正予算案の中に、財政再建策を打ち出してもらえないものだろうか。国会議員よ!もう少し真面目に国家と国民のことを考えよと言いたい。

2021年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com