2547.2014年5月4日(日) 葉山蓮子と柳原白蓮

 今NHKテレビの朝の連続ドラマ「花子とアン」が、前々作「あまちゃん」と前作「ごちそうさん」の好評を受け継いで、そのまま高視聴率をキープしているらしい。その「花子とアン」の主役は翻訳家村岡花子がモデルで、彼女が翻訳した「赤毛のアン」に触れながら、一昔前の女学校生活を友達との友情を通して紹介しようという筋書きになるのだろう。

 かつてその赤毛のアンのふるさとであるプリンス・エドワード島のキャベンディッシュを訪れたことがある。その折グリーン・ゲーブルを訪れたり、原作者モンゴメリー女史の記念館でアンにまつわる数々の記念品を見ることができた。プリンス・エドワード島は広大なカナダでも最も極東に位置して、時計は北米の大西洋岸時間帯より更に1時間進んでいる。アメリカ大陸では最極東と言われる地区だ。夏時間なら日本とちょうど12時間、つまり半日の時差のあるところである。

 実は、昨日小中陽太郎氏とメールのやり取りをしていて、ドラマに登場する人物・葉山蓮子が、元会社の上司の大叔母に当たる人だという意外な事実を知った。蓮子はかの大正3美人のひとりとして、またある意味でスキャンダラスな話題となった歌人「柳原白蓮」であるという。大正天皇の従兄妹に当たるというから驚いた。小中さんは戦時中その私の元上司と上海で同じ社宅に住んでおられた。

 白蓮は生涯に3度結婚したが、自身不倫だった3度目の夫宮崎龍介との結婚生活が最も充実して、終生添い遂げた。7歳も若かった夫に先立ち1967年に81歳で逝った。宮崎は孫文を支援して辛亥革命を成功させることに一役買った宮崎滔天の息子である。父子ともに社会主義運動に情熱を傾けた。白蓮にとって2度の結婚は本人の望むものではなく、その点で前半生は恵まれたものではなかった。駆け落ちした宮崎との間には男女2人の子どもをもうけ、その破天荒な駆け落ちは姦通罪があった当時世間の耳目を集め一世を風靡した。華族出身の人妻が若い男と出奔したとそのスキャンダルは世間から散々叩かれ、結核になった夫宮崎との生活は苦しかったようだが、好きな詩歌に希望を見出し佐々木信綱に師事していてそれが救いだったようだ。

 元上司は昨年亡くなられたが、生前白蓮についてお話しすることはなかった。ご存命ならこの朝ドラをどんな想いで観られただろうか。

2014年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com