5250.2021年9月26日(日) どうして世襲政治家がのさばるのか。

 来る29日に投開票される自民党総裁選へ向けて4人の候補者による討論会が連日行われている。彼らの主張を実際に政策として採り入れて果たして効果があるのか、反って費用がかかるだけではないのかと考えざるを得ない。彼らが日常生活面で現実に苦労や悩みに直面することがないせいか、現実感が迫って来ない。問題提起や解決に素直に納得出来るような提案がなされているようにはとても思えない。特に財政面の裏付けである。一般的に政治家は普段の実生活で金銭面において苦労することはあまりない。世襲政治家が多いせいでもある。総裁選でも4人の立候補者のうち、3人が世襲議員である。

 世襲議員の中でも典型的な人物は、麻生太郎・副総理兼財務相だろう。人を小馬鹿にしたような態度で、いつも上から目線で話し、発言もトンチンカンなことが多い。つい先日も記者団から現状のコロナ対策に対する政府の対応について質問を受けるや、「そういうことは応えられないから教えて欲しいというのが私の答だ」と答にもならないふざけた答え方をしていた。こんな人物が日本の財政を一手に与っている財務省のトップだというから、これで大丈夫だろうかと心配になる。これまでに担当である財政問題や、国家予算について自ら説明をした姿を見たことがない。自身財政というものが分っているのか、疑問に思うことがしばしばある。いつの間にやら金力とプラスαによって今の地位に就いたが、官僚のトップである財務省エリートにとっては最も上に立ってもらいたくない上司ではないだろうか。普段からその仕事ぶりが一向に伝わってこない劣等大臣である。それもそうだ。「有象無象」を「ユウゾウムゾウ」と読んで世間に恥をさらしてもう10年以上になる。

 副総理が副総理なら、間もなく辞める菅首相も好い加減である。昨日ワシントンで日米豪印4カ国(クアッド)の初めての首脳会談が行われたが、その目的と成果はともかく、日本から脱首相直前の菅首相が出席したのはどういう考え方だろうか。コロナ禍で対面式の会談も少なくなっている中の4人の対面である。そこへ菅首相が現れたが、3日後には職を辞する一国の首脳に対して他の3人の首脳はどう思っただろうか。世襲ではなく、むしろたたき上げの菅首相はどういう意図でこの会合に出席したのだろうか。普通なら次期首相にその重責を任せるものだ。これでは二重手間になるし、他の3カ国の首脳もどうしたら良いのか戸惑ったのではないだろうか。この辺りの判断が出来ない人物が日本の首相を務めているという、日本人首相として醜態を外国に見せてしまった。とにかく政治家たちは、市井の人間の目線で物を見ないために、国民とはものの見方や考え方が大分ずれている。

 選挙制度の改革によって、乱暴かも知れないが、世襲政治家を制限することでもしないと、国家、国民にとって真面な政治は行われないだろう。そのひとつの手段として、現在の選挙制度を変えて世襲政治家にとって絶対有利な現状を制約するより方法はない。それは、世襲により立候補する場合は、一定期間被世襲者の選挙区外でしか立候補出来ないよう制限を加えるべきである。何年か前に自民党内でこれと同じ考えが出ていたが、これも世襲議員につぶされたのか、その後世襲候補にとって不利なアイディアは出てこない。

 まず、日本の政治を改革する前提として、世襲議員を少しでも減らすことである。

2021年9月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com