5248.2021年9月24日(金) 5.15事件で倒れた犬養毅の言行

 一昨日夜NHK・BS3で「昭和の選択―犬養毅・軍と闘った憲政の神様」の再放送を観た。犬養は慶應義塾の出身であるが、巷の慶應ボーイのイメージとはやや異なる力強い正義感と信念の下に、昭和の初めの藩閥政府と軍部に抵抗し、政治に民主と自由を求めて闘った。残念ながら道半ばにして凶弾に倒れた尊敬する大先輩である。テレビで知らないことも随分知らされた。一旦は政界を引退し、八ガ岳山麓に別荘を買い求めて地元住民と気軽に交流していたが、時代の要請と政友会から強い要望があり政界へ復帰することになった。それが、犬養の運命を左右することになった。

 特に興味を惹かれたのは、慶應に入学して福沢諭吉に会って福沢の考えに感銘を受け、三田の慶應キャンパス内にある演説館で模擬国会演説会を行っていたということだった。重要文化財の演説館については、在学中あまり見学する機会はなかったが、1度だけ当時日本興業銀行調査部次長だった遠縁の藤田某が、慶應から招かれて講演を行ったので、その折に聴講し、見学したことがある。演説館内部はあまり広くはないが、当時の議会を彷彿させる構造と言われて、中々由緒のある魅力的な建築物である。

 何事にも信念を貫いた犬養は、現職首相のまま首相官邸に乗り込んだ海軍青年将校によって殺害された。その直前「話せばわかる」と今でも名言とされる言葉で、青年らを説得しようとしたが、彼らは犬養の言葉に聞く耳を持たなかった。これが5.15事件となり、日本史上クーデターとして今もなお宰相が生命の瀬戸際にありながら、説得力ある言葉として伝えられている。

 犬養ほどの強い信念を貫いた首相は、他に見当たらないのではないだろうか。安倍前首相や菅首相は、この犬養の爪の垢を煎じて飲んでみてはどうか。

 さて、今朝も妻が入院先からメールを送ってきた。入院以来ほとんど絶食状態だったらしいが、今日はランチに流動食が出て漸くお腹が満たされたという。相変わらず抗生剤の点滴を受けているが、幸いにも虫垂炎の炎症は和らいでいるようだ。漸く手術することに決まったらしい。出来るなら早く手術を済ませて退院して欲しいと願っている。明日も私物を届ける予定であるが、入院先の東京医療センターが近くにあり歩いても15分程度で行けるので、その点は大分助かる。

2021年9月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com