2555.2014年5月12日(月) 貿易立国日本の存在が危うい。

 昨日NHKで認知症行方不明者のドキュメンタリー番組を放映し、随分気になったのでブログに書き込んだ。その中で7年間も身元が分からなかった67歳の女性を取り上げたが、今日その身元が判明したというからテレビ効果もすごい。それにしても奇跡のようだ。今日が41回目の結婚記念日だったという。いくつかの証拠品がありながら、どうして長い間身元が分からなかったのかといくつかの疑問が投げられている。この7年間にその女性は、認知症が一層進んだようで、面会した夫が会話もできず、戸惑っているのが気の毒に思えた。探していた妻は見つかったが、これから先の彼らの生活を考えると頭の痛い、厳しい問題が予想される。それだけ認知症は今では大きな社会的問題となっている。

 さて、財務省が今日発表した昨年度の国際収支速報によると、経常収支は1985年度以降最低だそうである。3年連続で減少し、前年度より81%も減少したというから由々しき事態である。その最大の原因は貿易赤字が大幅に膨らんだことである。昨年度の貿易赤字は11兆円に近い数字で、前年度の2倍以上増えた。

 戦後わが国は資源がない貿易立国としてモノづくりに力を入れてきた。ところが近年モノづくりが日本国内だけではなく、海外で日本製品を作るようになって輸出してもそれが日本の貿易収支に直接貢献することが少なくなった。本ブログにも一度紹介したが、「選択」誌2014年3月号に佐藤隆三・ニューヨーク大学名誉教授が「貿易大国ニッポンの終焉」と題して取材に応じたが、佐藤教授は生産拠点が海外に流出していることを嘆いている。その他に日本の法人税率が高いために外国企業の進出が難しいうえに、日本に進出する外国企業はよほどの会社でないと雇用を生み出さないと悲観的なコメントを述べていた。

 いずれにせよ、日本の経済にとって深刻な問題であり、現在の傾向がこのまま続けば、国内の財政借金に加えて海外取引においても大きな借金を背負うことになる。

 多分政治家は、あまり深刻に考えないだろう。彼らがこの問題をどう考えているのか。新聞でもこの問題について彼ら政治家の声を取り上げて欲しいものである。 

 さあ、どうする。アベノミクスは大丈夫だろうか。

2014年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com