2556.2014年5月13日(火) ウクライナ東部が混沌

 ウクライナがいよいよ騒然としてきた。昨日東部地区のドネツク州とルガンスク州で住民投票を行った。親ロシア派が圧倒している2つの州では、住民投票に反対し認めないと言っているウクライナ暫定政権の意向をまったく無視し、投票を強行した。

 結果は予想されたように、圧倒的多数で「独立派」が制した。しかし、不正投票が蔓延り好い加減な選挙には正当性なんてまったくない。暫定政権はこの住民投票自体が憲法に則っていないとして認めないことを公言していた。その不法とされる投票が、不正だらけだったとするなら親ロシア派の言い分はひとりよがりでしかない。投票前からアメリカを始めヨーロッパ諸国、ウクライナ暫定政府は、2州を力づくで占拠した反体制派の行動を強く批判している。ロシアは反政権派を参加させないまま危機の打開策を話し合っても何も得られないと親ロシア派を話し合いの当事者として認めるよう働きかけている。

 25日にはウクライナ大統領選が行われる。東部2州はこれをボイコットする構えを見せている。一方、親ロシア派はまやかしの住民投票で住民の支持を得たとして、「ドネツク人民共和国」を設立し、ロシアに対してロシア共和国への編入を検討するようロシア政府に求めている。東部地域住民の私利私欲により、抜き差しならない事態がやってきそうである。

 おかしいのは、毎度国際紛争を引き起こし、他国の自治権と独立を侵す行動をとる中国が、このウクライナ問題ではまったく発言しないことである。自分たちに跳ね返ってくる発言は怖くて言えないのだろう。南シナ海のトラブルとは、傲慢さで随分違う。

2014年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com