今日の朝日朝刊は第1面のトップ記事から2~5面に「集団的自衛権」試案の中身を取り上げ解説している。政府、自民党の独自解釈による憲法を骨抜きにする「集団的自衛権」の広義解釈について批判的に取り扱っているのだ。この試案たるやまったく酷いものである。憲法の精神を置き去りにしてどうしてこういう発想が出てくるのか、まったく理解できない。
集団的自衛権について自民党を始め各党の間で漸く議論が出始めたが、自民党としては思い通りに国民の裏をかいてことを成し遂げるべくあの手この手で破廉恥な策を弄している。今エスカレートしつつある安倍首相の保守志向は、究極的には憲法改正を目論んでいるが、一気に改憲へ踏み出すわけにはいかず、手を変え品を変えて「憲法解釈の変更」という巧みに国民を騙す姑息な手段によって誤魔化してやってしまおうというのである。明らかに結論ありきである。
それが首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」という長たらしい名前をつけた略称「安保法制懇」が、憲法を骨抜きにしようという報告書を作成したが、それを朝日によって入手され暴露されてしまったわけである。 つまり他国を守るために武力を使う集団的自衛権の行使は憲法第9条の定める「必要最小限度」の自衛権の範囲内だとして、憲法解釈の変更を求めるというものである。安倍一派が何を企んでいるかは見え見えである。極右思想の安倍首相の私的懇談会の作った私案であるだけに、盛られた中身は極右的である。安保法制懇のメンバーも保守的識者ばかりで安倍首相が直接指名した人たちである。この安保法制懇の考え方を首相が承認し、閣議会議で了承してそのまま自民党が多数を占める国会へ提出し、法案通過となれば国民が議論する場がまったくない。憲法解釈をやって自分たちの思う通り憲法を運用し、自衛隊を海外へ派遣して戦争に加担しようとするもんおで、現行憲法を冒涜するものである。果たしてこの謀略が民主国家に許されるのか。
過去に田中内閣以来度々自衛権という名の下に国政の場で議論が交わされてきたが、1981年以来自民党を中心とした歴代政権は立憲主義の下に「集団的自衛権は国家として持っているが、行使できない」としてその解釈を守って来た。それが安倍内閣になってやにわにこの解釈を変更して自衛権を拡大しようというのである。
これでは安倍内閣は中国に対して、中国のやり方は民主国家に悖ると偉そうなことを言う資格がないではないか。
日本の民主主義も段々危うくなってきた。
それに比べればプライバシーであるが、今日東京医療センターでその後の糖尿病検査の数値が良くなったことがせめてもの気休めである。