5241.2021年9月17日(金) いよいよ自民党次期総裁選始まる。

 昨日で菅義偉氏が首相に就任してちょうど1年が経った。その首相も残りあと2週間足らずで首相の職を辞することになる。外国では在任期間が決められている首脳が多いが、イギリスと同じように議院内閣制を採る日本の議会制度では、政治状況によって短期間で首相を去るケースが度々ある。長期政権を続けた安倍前首相以前は、外国からも目まぐるしく変わる日本の首相を揶揄する声がこれまでもしばしば聞かれたものだ。菅首相の後を継ぐ、第100代総理大臣には、誰が就任することになるだろうか。今日正式に総裁選立候補者の受付が始められ、4人が届け出た。

 それにしても菅首相の退任表明は唐突で、コロナ対策と並行して大任は果たせないので首相を辞めるというその選択は、理由が分かり難く、また無責任だったと思う。首相は直前まで、総裁選に出馬すると何度も語っていたにも拘わらず、突然前言を翻し出馬しないと公言した。外からは伺い知れない事情があったとは思うが、最大の原因は党内実力者の二階幹事長との確執で意見が食い違ったことと、党内事情があったと思われる。

 菅首相は、安倍政権が残した負の遺産への再調査を行わず、舞台から逃げ去ったと言っても好い。これから菅政権の業績については検証が行われるだろうが、首相という最も責任の重い立場にいながら国民との話し合いを避けていたことが、国民から厳しく非難された最大の原因である。

 それは、このところ野党の要求がありながら国会を開会しないことでも明確である。コロナ対策でも話し合うべき国会を休会にしたまま、4分の1以上の議員から開会要求が提出されても開会しないのは、憲法第53条に違反する行為ではないか。記者会見でも言い分だけを喋り、質問にはまともに応えようとせず、論点を逸らせたり、一方的に打ち切っていることである。公式記者会見においても出席者を指名して、厳しい質問で毎度窮地に追い込められた、中日新聞の望月衣塑子記者を排除したことでも分る。

 過去最長の幹事長在職5年余の二階俊博氏が、自民党内で若手を中心に不満の声が出ていたのを受けて、首相は二階氏を幹事長から外すことを本人に伝え、一応承諾を得たと伝えられた。しかし、二階幹事長は安定した自民党を確立し一強多弱にしたとの自負を抱いており、自ら幹事長職を辞める気持ちはなく、反って首相に対する反感、不満を別の形で表したのではないかと考える。

 いろいろ風評はあるが、これから29日の投票まで駆け引きが繰り返されるだろう。すべてとは言わないが、新総理総裁に選ばれた以上、少しでも納得出来る政策を実行して欲しいものである。

2021年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com