5240.2021年9月16日(木) 自民党総裁選挙の立候補者は4人

 昨日自民党総裁選への立候補を取りやめた石破茂・元幹事長は、先に立候補を表明した3人の内、河野太郎・行政改革相を支持すると語った。一方、20人の推薦人を集めた野田聖子・幹事長代行が、明日告示の瀬戸際になって今日夕刻漸く立候補を表明した。石破氏が総裁選出馬をぎりぎりまで思慮した末に決断したのには、石破流の読みと決断があったのだろうが、どうも煮え切らないし、河野氏を支持するというのもすっきりしない。これまで過去4回も総裁選に出馬して、最も善戦した候補者である。それが今回に限って決断を伸ばしに伸ばした末に、不出馬の結論を出したのは、派閥の意見がまとまらなかったからではないかと推測する。

 岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、河野氏ら3人の立候補者は、連日各メディアを回って売り込みに懸命であるが、明日からは野田氏もメディアに顔を出すことだろう。4人の考えには基本的にそれほど大きな差はない。経済、外交政策においてさして違いがないとすれば、彼らから知りたいのは、防衛政策と原発問題、それに安倍、菅政権が残した森友・加計問題と「桜を見る会」問題、公文書改ざん問題の追及を本音としてどう考えているかという点である。

 党内で影響力を持つ安倍前首相への配慮から、森友・加計、及び桜問題や公文書問題については4人とも完全に腰が引けている。最も党内をピリピリさせたのは、これまで「脱原発」を吹聴していた河野氏で、改めてこの点を問われると綺麗ごとのように「現実的なエネルギー政策」と言葉をすり替えて、既存の原発の再稼働は当面容認するとして、党内原発推進派に配慮したことである。これは一種の裏切りであるし、自らの信念に悖ることはないのだろうか。当然原発推進派は反発している。

 岸田氏は核燃料サイクルを維持する考えであり、高市氏は原子力の平和利用は必要と訴えている。本音はともかく、好いとこ取りの河野氏にとって総裁最有力候補者となった今では、首尾一貫した政策と哲学を打ち出すべき時であると思う。

 朝日新聞の直近の世論調査によると次の首相に「安倍、菅両氏の路線を引き継ぐ方がよい」が、28%だったのに対して、「引き継がない方がよい」が、58%だった。ということは、問題の解明を進めるべきで、脱原発にも道筋を示すべきである。この他にも靖国参拝や、自衛隊の抑止力整備など数々の問題が俎上に上っている。4人がしっかりとした考えの下に日本の総理、総裁として必要な政策をきちんと打ち出すことが出来るかどうかが問われていると言ってよい。

2021年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com