2558.2014年5月15日(木) 沖縄本土復帰、5.15事件の日に集団的自衛権容認 

 沖縄が日本に復帰してから今日で42年になる。一時期沖縄本土復帰運動に関わったこともあるが、自分自身の沖縄を視る目も今では大分変ったように思う。当時の沖縄は日本から切り離され、本土に比べて経済的に取り残され貧しかった。ところが、今では観光ブームもあって明るいイメージが話題になることが多い。最近では人口減少の中で沖縄県は、人口が増えているうえに、若者人口も多い。

 しかし、どうしても頭を離れないのは沖縄が抱える問題である。特に、沖縄自体が作り出したものではなく、終戦後沖縄が否応なく押し付けられた米軍基地である。沖縄中に米軍機の轟音が聞こえ、事故もトラブルもあり安心して生活を送ることが県民には必ずしも保証されていない。沖縄経済は基地に依存するようになり、沖縄が自力で経済を支えていくのは難しい。沖縄本来の経済を構築できないとの悩みと同情から今では多額の国庫補助金が配布されているが、このままの状態ではいつまで経っても沖縄経済は一本立ちできないだろう。

 その点で米軍基地のしわ寄せを沖縄県に押し付けた形の他の自治体としては、この日を「沖縄本土復帰の日」として、国民運動により沖縄の実態を広くPRして沖縄県民の労苦を啓蒙することが必要ではないだろうか。

 日本人は忘れやすい民族と揶揄され、本日の沖縄復帰と沖縄県民の苦しみを忘れかけている。実は今日は別の記念日でもある。それは「5.15事件」勃発の日である。こともあろうに時の内閣総理大臣・犬養毅が1932年のこの日海軍青年将校により殺害されたのである。この事件を皮切りに軍部の右傾化が急速にエスカレートして軍国日本へ傾斜して行った。そして、4年後陸軍青年将校による「2.26事件」へ導いていった。更に5年後日本は太平洋戦争へ突っ込んで行った。

 その意味では今日は戦争に反対する日であるべきである。

 ところが、安倍首相は今日性懲りもなく、「安保法制懇」の報告を受けて集団的自衛権行使は限定的に許されると記者会見で語った。戦争への道を選び憲法第9条を自分たちの考えで歴代政府とは異なる解釈をすると述べた。首相は絶対戦争を起こす国にはならないし、集団的自衛権に関する法整備が反って抑止力になると随分楽天的なことまで言っている。

 戦争を知らない安倍首相にしろ、日本には、反省とか、自制という言葉はないようだ。

 このブログを書き始めて今日でちょうど7年になる。毎日書き続けて2558日目になった私にとって、記念すべき日である筈が憲法解釈の変更とはがっかりである。

2014年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com