2563.2014年5月20日(火) 韓国沈没船事故の影響

 先月16日に起きた韓国の沈没船事故で、まだ20名近い行方不明者の安否が分からない。事故発生以来国中に暗い空気が漂い、事故責任者を追及する声が尽くされている。船舶会社オーナーや、乗客を放ったらかして脱出した船長や船員らが厳しく批判されていたが、ここへ来て救出作業に当たった海洋警察の手落ちが指摘され、それが原因で政府への批判が一層高まっていた。昨日朴大統領は再び遺族、国民に対して海洋警察があまり活動しなかったことを謝罪し、海洋警察の解体まで踏み込んだ発言をした。

 起きた事故は、気の毒としか言いようがないが、これまで国として安全対策がないがしろにされていた傾向があり、いかに大統領発言であるにしてもこれを一気に万全を期すというところまでは中々難しいのではないだろうかと思っている。6月に統一選挙が行われるようだし、この事故で朴大統領の支持率が下降気味になったのを盛り返したいとの願いも隠されているのではあるまいか。

 一般的に言われていることは、韓国は戦後経済成長を追い続けることに精一杯で、安全に対する感覚が充分でなかったと国内で大きな反省の声が聞かれる。これまでいろんな面で安全に対する手抜きをやっていたことが今大きな反省材料となっている。

 今から40年ほど前ソウルで開催された旅行業界のPATAコンベンションに参加した際、下関から関釜フェリーで韓国へ行ったことがある。その折日本のフェリーに乗ったか、韓国のフェリーに乗ったのかはっきり覚えていないが、その時フェリーは危険な感じはまったくなかった。あの事故以来韓国では旅行が下火になり、況してや船の旅は旅客減少に歯止めがかからないようだ。韓国の安全対策に対する認識が少々甘かったようで、その後も地下鉄事故やビル倒壊が起きている。安全に対する意識を根本的に考え直す時だろう。

2014年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com