2568.2014年5月25日(日) 大相撲夏場所は横綱白鵬の優勝で幕

 大相撲夏場所千秋楽で横綱白鵬が14勝1敗で29回目の優勝を遂げた。残念なことは今場所中の今月18日に放駒親方(元大関魁傑)前協会理事長が突然亡くなられたことである。まだ66歳の若さである。保守的な相撲協会の中で珍しく進歩的な考えだった親方は、一昨年噴出した八百長問題に対して難しいかじ取りを迫られ、本場所中止、八百長加担力士の追放、また公益財団申請などで古い体質の協会の組織にメスを入れた。そのため一部の理事や力士らから敬遠されたが、反対勢力の多い中で初志を貫き、ひとまず危機を切り抜けた。放駒親方でなければやり遂げられなかったであろうと、その行動力と指導力は一目置かれている。

 放駒親方の正義感と行動力により、少しは透明性が高まった大相撲であるが、依然として古い体質は残され、部屋制度の不明瞭性とか、親方株の問題などはうやむやにされてしまった感がある。

 不正とは別問題だが、今場所は土俵上で珍しい現象があった。13日目に横綱鶴竜が髷をつかまれたことで鶴竜が反則勝ちを得たが、そのクレームも検査役ではなく控え力士の横綱白鵬が即座に挙手したものだった。こんなことは珍しいことだと思う。そして、昨日はやはり横綱白馬富士が大関稀勢の里の髷を掴んで反則負けとなった。確かに髷に手をつけるような勝負が増えている。

 今日も見方によっては髷に手を入れたのではないかと思える相撲があり、解説の元横綱北の富士が、故意にやっているわけではないが、勝負で引き技が多くなったのでその可能性が高くなっていると述べていた。協会として少し考えなければいけないとも話していたが、単純な相撲の中でもちょっとしたことで反則に触れてしまうものだ。それも今場所、しかも横綱が関わる相撲で髷を引っ張るような反則が頻発したのは、北の富士が言っていたように今が問題を掘り下げて考えてみる時期なのではないかとも思う。

 優勝争いに絡む強い力士が皆外国人関取という異常事態になって大分時間が経つが、大相撲も少しは襟を正して公益財団として恥ずかしくないようになったのは一歩前進と言えるのかも知れない。それも放駒親方の功績が大きかったのではないだろうか。

2014年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com