5154.2021年6月22日(火) 世界の正論が通らないミヤンマーへの対応

 現在表面的には目立ったトラブルが伝えられていないミヤンマーであるが、事態は国軍の思惑通りに進んでいるような気がして仕方がない。19日に国家顧問アウンサンスーチー氏が76歳の誕生日を迎えた。だが、通算4度も身柄を拘束された彼女は、現在軟禁状態に置かれている。しかも、本人も自分がどこに軟禁されているのか分からないというのだから尋常ではない。今やスーチー氏は、国内では個人崇拝から抵抗の精神的支柱になっている。それだけに国民がスーチー氏を精神的に頼りにするようなことは、国軍としては極力避けたいと考えている。

 ところが、去る18日に国連総会で拘束されたスーチー氏らの無条件解放を求める決議が賛成多数で採択された。残念なことに、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国、及びロシアが棄権に回ったことにより、決議案は限定的となった。昨日はEUが3度目の制裁を課した。これがどれほど国軍に対して効果的であるだろうか。国際社会の大多数の正論が一部の利己的な国の身勝手さによって否認されてしまったのである。そんな中でクーデターの首謀者であるミンアウンフライン国軍総司令官が、ロシアへ向かった。ロシアの支持を確認するためである。ロシアにも中国がミヤンマーとの協調関係が優位にあるのを見過ごしていられず、ミヤンマー社会に一歩足を踏み込みたいとの下心があった。

 それにしても良識的な国際社会の声はかき消され、徐々に国軍の狙い通り事態が推移しているように思えてならない。

 さて、昨日東京オリンピック開催について観客を最大1万人と決定したことに対して、その決定に至る経緯や、決定自体について五者会談の外部から疑問が呈されている。

 例えば、尾身茂・分科会会長が無観客こそ望ましいと提言したが、橋本聖子・大会組織委員会会長は尾身氏が中止と言わなかったことを評価するような検討違いの応え方をしていた。これに対して尾身氏は、すでにG7で菅首相が開催へ各国の支援をお願いしたのに、分科会として中止は言えないと回答した。また、観客の上限が1万人と決めておきながら開会式だけは1万人+大会関係者1万人に決めた理由や、開会式のみ飲酒を容認するのは関係者にサービスするためであるとか、大会スポンサーに忖度したからだとの批判的な雑音が収まらない。日ごろ口煩い二階俊博・自民党幹事長が五輪会場では禁酒も検討すべきとの発言も目立っている。どうも大会関係者の話し合いや、やり取りを見ていると話の内容の積み上げ方とか、進め方が拙いように思えて仕方がない。

 偶々昨日ブログで今年のサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)開催中にコロナ陽性者が82名も判明して、その防止対策が疑問視されていたが、今夕また新たな陽性が発覚し、陽性者は実に140名になったという。アルゼンチンの選手らは、アルゼンチン国内に滞在しながら試合当日にブラジル国内の試合都市へチャーター機で往復しているというから、コパ・アメリカの試合会場周辺が、新規感染者を防げそうもないと見られている。今日もテレビでスポーツ評論家らがこのコパ・アメリカの例を取り上げ、何が起きるか分からない東京オリンピックの対応を気にしていたが、観客1万人以下に抑えたところで果たして東京大会は期待に応えてうまく機能出来るだろうか。

2021年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com