5153.2021年6月21日(月) 東京オリンピック観客は1万人まで

 とうとう今年も「夏至」を迎えることになった。いよいよ東京オリンピック開催まであと32日である。相変わらず収束傾向の見えない新型コロナウィルスに医療関係者から不安の目が注がれている。都市によっては外国チームの事前合宿を受け入れている。すでにオーストラリアのソフトボール・チームや、一昨日ウガンダ・チームがやって来たが、そのウガンダのひとりの選手が空港検査で陽性であることが判明し、隔離された。昨日はデンマークのボートチームが秋田県大潟村へ事前合宿のため来日した。当初期待していたほどではないが、それでもムードは徐々に盛り上がりつつある。

 感染状況に懸念が広がる中で人の流れが増えているのが、心配の種である。実は、世界のサッカー界で今コロナが話題となっている。現在50万人もの新型コロナウィルス死者を出したブラジルでは、恒例のサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)が開催されているが、皮肉にも参加選手やスタッフの間でコロナ陽性と判定されるケースが相次いでいる。すでに18日までに感染者が82人に上っている。

 ブラジルは大統領以下政権にコロナ感染防止の認識が甘く、それが現在の惨状を招くことに繋がった。しかもコパ・アメリカは、当初コロンビアとアルゼンチンの共催により両国で開催の予定だったが、国内の政治情勢とコロナの感染状況を理由に両国が開催を辞退し、敢えてブラジルが引き受けて開催したものである。ブラジル当局にはコロナを抑え込めるとの成算でもあったのだろうか。ブラジル関係者は、無観客をはじめ、感染対策は万全だったと言っているが、現実にこれほど多くの陽性者が出るとは知らぬが仏だったのだろうか。

 ついては、今日菅首相が記者会見で、オリ・パラ期間中に緊急事態宣言なら無観客も辞さないと話したが、緊急事態宣言を発出するのは政府、つまり首相自身であり、無観客を決めるのも政府が主導権を握っているので、まるで整合性のない話である。当初から「安全・安心」を金科玉条のように話しているが、これとて具体的に基準を示して欲しいとの要望に対してもこの抽象的な言葉で応えているに過ぎない。

 そして、今日夕刻東京オリンピックとパラリンピックの関係者の、橋本組織委員会会長、丸川五輪相、小池都知事、バッハIOC会長、パーソンズIPC会長による五者会談がリモートにより開かれ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された後は、観客は収容人数の50%以内で上限を1万人とすることを正式に決定した。結局医療専門家のアドバイスは聞き入れられなかったということになる。果たしてオリンピックは、平穏に開催されるだろうか。もう次回オリンピックを日本で観ることは出来ないだろうから、ある程度賑やかに、国民が喜ぶ形で開催して欲しいと願ってはいるが、何百年に1度というコロナのような疫病神に取り付かれては仕方があるまい。すっきりしないことになった。実に寂しく残念なことである。

2021年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com