2588.2014年6月14日(土) 私利私欲しか考えない政治家

 政府は今集団的自衛権に関する取り決めで連立与党・公明党の了解を取り付けるために、手練手管の策を弄した集団的自衛権実行案を模索中である。「平和の党」と言って憚らなかった公明党もここへ来て、政府自民党の懐柔策に党是を後退させてまでして自民党案に歩み寄ろうとしている。公明党も欲の皮が突っ張っている。態度をはっきりさせなかった山口那津男・公明党代表も限定的に集団的自衛権行使を容認する意向のようで合意を目指したいと語った。宗教政党としてそれなりの良識が働いていた公明党も、ついに亜流の政党に堕落した。

 「平和の党」を謳い憲法9条の下で専守防衛に徹してきたが、「平和の党」の看板をかなぐり捨てて「戦争へ向かう党」へとこれまでの非戦の誓いを放棄することまでして本音を晒そうというのである。安倍首相の強引な右翼的リーダーシップに押され、日本が戦争に巻き込まれる危険を冒すことに手を貸そうということになった。

 それにしても安倍首相は最近になって何を急いでいるのか、アベノミクスを更に加速させ実績を上げようとばかりに新たな成長戦略をまとめて発表した。その目玉は「法人税減税」である。確かに海外の企業が指摘しているように日本の法人実効税は高い。アメリカ・カリフォルニア州の40.75%に次ぐ、35.64%である。日本に次いで高いフランスの33.33%、ドイツ29.59%を大きく飛び越えてより低いイギリス23%、中国25%、韓国24.2%並みにまで下げて外国資本の日本への投資を増やそうということと、企業から要望の強い減税を実施することによって経済界の協力を得ようというのである。

 今後数年間をかけて現状の税率を10%ほど下げようとしている。問題は法人税率を1%下げれば税収が約5千億円減るようだが、仮に中韓並みの税率にまで下げるなら、年間で5兆円の減収につながる。その財源をどうやって補てんするのか、これという有効な対策や知恵は今のところ浮かんで来ない。

 今でも日本の借金は先進国の中で最悪の状態で財政再建は喫緊の課題であり、それをどう改善させて借金を減らすのかという点について、政治家の感度はあまりにも鈍く、次から次へと巨額の費用を伴う投資ばかり俎上に上がってくる。こういう国家の財政を破たんに追い込みかねない状態で今また年間5兆円もの資金をどうやって捻りだすのかまったくビジョンが見えない。

 皆私利私欲ばかりが先走って、国家のことを深く考えていない。何でもかんでも自分たちに都合よく解釈する。これだから政治家に期待できないわけである。

2014年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com