2590.2014年6月16日(月) 日本ペンクラブ総会出席

 日本ペンクラブの総会に出席した。恒例に則り議事が進行されたが、Googleがペンの電子文藝館の資料を著作権者に無断で配信したことを、日本ペンはニューヨークの裁判所に訴え、和解金としてペンは20万ドルを受領することになった。その経緯が一般会員には知らされておらず、決算書に「文藝振興活動基金」として20,246,000円が計上されていることについて小中陽太郎さんが質した。何とか説明を受けて理解できたが、こんな肝心な点を公にまったく説明をしないことに疑義を抱いた会員も多くいたようだ。幸いこれまでの総会には見られないほど活発な質問が出された。

 私は今年度収支予算書について挙手をして質問した。登録会員数が1678人で年会費が2万円であるので、会費収入は3356万円であるべき筈が、3200万円となっている。明らかに156万円の計上不足となっている。そんな粗雑な表記の一方で支出、とりわけ旅費交通費や雑費のように予算上とても見通せない1円単位の端数まで表示されている。この点を質問したところ、執行部からは私の質問に理解を示していただいたようだが、吉岡忍専務理事は言い訳がましく会費収入はこの後退会する会員が予想されるので、その点を勘案したとおよそ根拠のない詭弁で言い逃れていたが、担当役員の専務理事を始め、ペン経理の決算書類に対する甘さと杜撰さは3年前の国際ペン東京大会の不明瞭な経費支出以来、依然として改善されておらず、少々問題だと思っている。

 その他の議題で31名の会員をペン内規により名誉会員に推薦する件については、かなり個人的な意見が出された。その中で興味深かったのは、名誉会員の中に石原慎太郎氏の名が挙げられていたことに対して、過激で、女性を侮辱するような発言や社会的に物議を醸す発言があったことなどから石原氏を名誉会員に推薦するのはふさわしくないと苦情が出たことである。いずれも意見を受け止めて改めて応えを出すことになったが、文人の集まりであるペン内部における慎太郎氏の不評、不人気ぶりには驚いた。後輩としては何ともやりきれない思いがする。

 ただ、感心したのは、総会出席者から意見があれば何でも受け入れて回答を出すと、時間が超過しようと質問を受け付けたことである。そのため総会はかなり時間をオーバーした。この辺りがペンの良いところだ。

 総会後いつも通り二次会で有楽町ガード下の「金陵」へ行き、元気の好い若い新人女性会員の物怖じしない言動が目立ち煙に巻かれた雰囲気があったのは、我々高齢者会員の存在感の低下だろうか。

2014年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com