5115.2021年5月14日(金) 子どもに危険なサッカーのヘディング

 何を今更と思えるくらい長い間無関心のまま放って置かれてきた。サッカーのヘディングの危険についてである。ヘディングすることが頭・脳に良くなく、特に幼少期の子どもへの身体的負担が懸念されるとして日本サッカー協会が育成年代のガイドラインをまとめて発表した。今ではサッカーのヘディングはごく当たり前でゴール前でのヘディング・シュートは見せ場のひとつにもなっている。しかし、初めてサッカーを知った時には頭にボールを当てるということに違和感を抱いたものだ。実際頭が柔らかい幼児がサッカーボールをヘディングすることは大丈夫だろうかと気になったものである。サッカーが盛んになった今日になって漸く注意警報が出されたのだ。これまで安全な体育授業としてサッカーでごく当たり前のようにヘディングをしていたことに対して、文部科学省はその安全性からいって、もっと早く全国の小中学校へ安全なサッカーについて教育指導要領を出すべきだった。

 イギリスのグラスゴー大学の研究結果によると、サッカーの元選手は認知症などの神経変性疾患で死亡する可能性が一般人より約3.5倍高く、アルツハイマー病は約5倍、パーキンソン病は約2倍との結論を出した。これを受けてサッカーの母国イングランドのサッカー協会は、昨年2月、発達中の脳への悪影響を考慮し、11歳以下は練習でヘディングを禁止する指針を出した。

 何でもかんでもボールをヘディングするというのは駄目というのではなく、年齢に合わせて柔らかいボールを使うことなどを採り入れると好いと漸く日本の指導現場でも実践されるようだ。気づくのが少々遅すぎたきらいはあるが、この警報により少しでもヘディングによるケガが減れば良いと思う。

 さて、新型コロナウィルスの感染が一向に衰える様子もなく、今日先に緊急事態宣言が発出、延期された9都府県に加えて、北海道、岡山、広島の1道2県を緊急事態宣言の対象とすることを決定した。これについては、まったく初めてのことであるが、対象としないとする政府案に対して専門家の間から強く異論が出て政府が飲む形になったようだ。コロナは益々拡大し、オリンピックも開催する方向で事態は進んでいる。大阪では医療崩壊に近い状態であり、立川市内の病院のガラス窓に「医療は限界、五輪やめて!」と病院から苦しいアピールが示されている状態である。オリンピック開催の中止を求めるオンライン署名は、12日現在で33万人にまで達した。

 寡聞にして知らなかったが、オリンピック開催のための下調べとして4月26日と5月7日に東京スタジアム(調布市)で、今月10、11日に国立競技場で約770人もの教員を集め、生徒たちのオリンピック見学のための下見をしていたことが判った。都内小中高生徒約46万人余がオリンピック観戦に2つの会場を訪れることになっているようだ。オリンピック開催も今や実施できるか、中止かという瀬戸際に追い込まれている時期に学校では生徒たちの観戦を前提に準備を続けているようである。感染リスクを無視して東京都が強行を狙う学校連携感染プロジェクトのようである。オリンピックになれば、ワクチンを接種していない大勢の子どもが会場で危険にさらされるのは明白である。子どもたちが感染したら誰が責任を取るのだろうか。

2021年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com