5114.2021年5月13日(木) コロナで悲喜こもごもの民間企業決算

 新型コロナウィルス感染拡大防止のために緊急事態宣言が発出されていた東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に加えて、新たに愛知、福岡の2県が追加されて今月末まで延長されることになった。他にまん延防止等重点措置については、北海道、千葉、神奈川、埼玉、岐阜、三重、愛媛、沖縄に今月末まで適用が続く。このうえ群馬、岡山、香川がまん延防止の適用を求めている。他にもまん延防止の適用申請を検討中の自治体がいくつかある。感染拡大が地方でも広がってきたことへの懸念も燻っている。緊急事態宣言で感染者は減少するどころか増えるばかりである。政府の対策が必ずしも的を射ておらず、国民が納得していないばかりでなく、ワクチン予防接種対策などに不手際が散見される。

 経済への影響も大きいが、業種によって異なり、明暗二極化している。「巣ごもり需要」や海外経済の回復などで利益を伸ばした企業がある一方、外出自粛による航空、鉄道、観光、飲食業などへの影響は計り知れない。実績が上がった中でも飛びぬけて好況を続けたのは、ソフトバンク・グループである。世界的な株高により2020年度国内企業では過去最高利益、4兆9879億円を計上した。約5兆円である。国内企業の純利益ランキングでは、近年トヨタ自動車の独壇場だった。それが突然のようにソフトバンクが抜け出したのだ。同グループはオーナーである孫正義氏が一代で築き上げただけに、孫氏の自信過剰の口調には、些かうんざりするくらいである。今後の成長について問われた孫氏は、「金の卵の製造業になる。5兆円、6兆円で満足する男ではない。10兆円でも全然満足していない」と応えている。実績を上げたから大口をたたいても構わないが、これでは成り上がりものの典型である。

 ソフトバンクに次いで高い純利益を上げたのは、トヨタ自動車の2兆2千万円で、3位はソニーの1兆1千億円だった。一方、コロナの影響を真面に被ったのは、航空、鉄道、観光業界である。赤字額は、JT東日本5,779億円、JT西日本2,332億円、日産自動車4,486億円、全日空4,046億円、日本航空2,866億円などが厳しい試練に晒された。

 今のコロナ禍が収束しなければ、これら上記の大企業はこのまま行き詰まってしまう恐れがある。それだけに1日も早く全国民がワクチン接種を受け、コロナに対抗できる防備体制を固めることが再建のために必要なことである。

 さて、一昨日突然エルサレムでイスラエル軍とハマスの戦闘が始まった。あの狭い土地でイスラエル空軍の空からの攻撃とハマスの反撃を観ていると多くの犠牲者が出るのは目に見えている。流石に国連安保理事会が戦闘停止の声明を出そうとしたが、イスラエルの同盟国アメリカの反対で、いつ戦闘停止になるか全く分からなくなった。人権重視を謳い文句にしているアメリカのバイデン政権が、イスラエルの肩を持ち、実質的な休戦への行動を取ろうとせず、被害を増大させるのは、アメリカの二枚舌外交と見られても仕方がない。このまま放置していたら戦力に勝るイスラエルがハマスとパレスチナ自治区のガザを破壊するのは明白である。ミヤンマーの国軍クーデターが、中国とロシアを後ろ盾にして事態解決へ一歩も進まないのと同じ状況になった。明日はイスラム教徒にとってはナクバ(大惨事)の日である。結局大国の身勝手で問題を内包する国は荒らされるままになってしまうのだ。大国の利己主義と身勝手さに何とかブレーキをかけられないものだろうか。

2021年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com