5113.2021年5月12日(水) 中国の公表数字を俄かには信じられない。

 世界一の人口を抱える中国の2020年の総人口が発表された。14億1178万人で日本の人口のほぼ10倍である。ご多聞に漏れず、中国でも出生率が下がり、加えて高齢者が増え、少子高齢化現象が顕著になった。総人口は10年前に比べて5.38%、7,206万人増えた。だが、この10年間の平均増加率は前の10年間よりも低く、人口は伸び悩んでいる。出生率は2016年に「1人っ子政策」を廃止したにも拘わらず、前年から2割弱も減少して中国建国以来最大の下げ幅となり、4年連続で減少した。少子高齢化による人口減少を国家の発展にとってマイナスと考えている国家統計局は、この結果の発表を予定より大分遅らせた。中国の発展にとってプラス材料とならない実数を公表することに内部で異論があったようだ。

 実は、中国が公表する数値に素直に頷けないことがしばしばある。人口が多く働く世代が多いことが経済発展を強く後押ししたと考えている中国政府は、いずれやって来る人口減少を進んで公表したがらない。しかし、現実はシビアである。27年ごろに始まると言われていた人口減少が想定よりも早く始まる可能性が高まっている。

 前記のように中国の統計数値が全面的に信頼出来ないのは、国連人口基金(UNFPA)が発表した2020年の人口統計では、中国の人口は14億3930万人となっている。今年の統計では、近年人口減少が現実化するとの見通しだが、すでにUNFPA 公表数値より2,752万人も減少しているのである。

 今では毎日公表されているジョンズ・ホプキンズ大学発表の新型コロナウィルスによる感染者と死者の数も、世界中の国々が毎日増え続けているのに対して、中国は長い間感染者も死者も増加していない。とても信じられないことである。そしてコロナを抑え込んだと世界へアピールしているつもりのようだが、この点について世界保健機関(WHO)をはじめ、各国から不審感が生み出されないのが不思議である。それに正確な数値を公表しないことは、正確な数値を公表している他国に対しても礼を欠いていないだろうか。中国は秘密主義的なことが多いが、人口を正しく公表することは責務であり、科学的でもある。そろそろ中国は秘密主義を止めてはどうか。

 つい最近も宇宙へ打ち上げた大型ロケット「長征5号B」が、地球を回る軌道への打ち上げに成功した。しかし、機体の一部が無制御のまま大気圏へ再突入して破片がインド洋上に落下した。これまでのロケットは大気圏の再突入する際に燃焼して地球上に破片が落ちることがなかった。だが、中国製ロケットは地球上に落下した。危険極まりないことである。陸地、就中人口密集地帯に落下したら大惨事になる。中国は他国に迷惑をかけない常識的な言動をして欲しいと思う。

2021年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com