5112.2021年5月11日(火) 宝島社の政府コロナ対策批判広告

 今朝の朝日新聞の見開き2面を使用した宝島社の広告には、些か驚いた。竹やりを持った3人の女児の写真に厳しい政府批判の文言が載っていた。曰く「ワクチンもない。クスリもない。タケヤリで戦えというのか。このままじゃ、政治に殺される」。続いて「私たちは騙されている。この一年は、いったい何だったのか。いつまでも自粛をすればいいのか。我慢大会は、もう終わりにして欲しい。ごちゃごちゃ言い訳するな。無理を強いるだけで、なにひとつ変わらないではないか。今こそ、怒りの声をあげるべきだ」。と書かれている。読売と日経にも同じ広告が掲載されたらしい。

 宝島社と言えば、代表雑誌「宝島」は廃刊されてしまったが、今も「別冊宝島」をはじめ多くのファッション雑誌や若者向け書籍で知られている。今までにも時に問題を投げかけた事件を起こしたが、その出版社が政府の新型コロナウィルス対策に不満をぶつけたのだ。ネット上にも同感を示す意見が多く見られる。宝島社の広告の狙いは、今の日本のコロナ状況は太平洋戦争末期に幼い女子まで竹槍訓練を強いられた、非科学的な戦術と重なり合い、コロナに対抗するには科学の力が必要で、そんな怒りの声をあげるべき時が来ているということをアピールするものだ。政府の対応の遅さと悪さに、国民の間にかなり不満の声が燻っている。その証拠に菅政権に対する世論調査で、菅総理就任以来支持するとの回答が最低水準にまで落ちた。

 立憲民主党の香川県1区選出の小川淳也・衆議院議員はツィッターで他人事のような感想を述べている。「宝島社の広告、毎回本当にすごい。昨日、香川の保健所、社会福祉協議会でも実績をお聞きしたが、地方も含め本当に大変。結局全て政治の責任」と自らは政治に関わっていないような発言で、これではまるですべては政府の責任で野党は関係ないとでも言っているようだ。そう思うなら政治家のあなたが先頭に立ってやってみろ、と言ってやりたい。これに対して政府はどういう対応をするだろうか。多分無視するだけだろう。

 世界的にコロナが大流行している中で、去る8日アフガニスタンの女子高校傍で爆破事件が起き、60人以上の女子高生が命を落とした。タリバンは一時休戦を公表した。コロナ感染拡大に当惑している国内の現状にテロ組織は少し行動を差し控えるようだ。

 ところが、イスラム教の年中行事ラマダン期間中の昨日、エルサレムでガザ地区からロケット弾が発射された報復として、イスラエル軍がガザ地区の軍事拠点などを空爆して子どもを含む30人以上が死亡した。2012年にエルサレムとパレスチナ自治区を訪れた時には、一見しただけでは静かで落ち着いだ空気が漂い、かつての戦いの現場という感じはほとんどしなかった。しかし、その裏にはイスラエル建国以来ユタヤ民族のイスラム教徒への憎しみと反発が、絶えることなく潜んでいるのだろう。

2021年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com