5087.2021年4月16日(金) 映画「ローマの休日」のタイトルの意味は?

 毎週楽しみに観ているNHK「日本人のお名前」を昨晩観ていて、こういう逆説的言葉があるのかと知った。テーマは「映画タイトル!大ヒットの法則」というもので、古今東西洋画の名作のタイトルに焦点を当てていた。数々紹介された映画の中でも最も唸らされたのは、1954年に公開され大ヒットしたオートリー・ヘップバーン及びグレゴリー・ペック主演の「ローマの休日」の英語名‘ROMAN HOLIDAY’だった。当時は高校1年生だったが、ウイリアム・ホールデン主演の「第17捕虜収容所」を夢中になって観るとともにこの「ローマの休日」も観て随分面白いと思った。後年ローマを訪れる度に映画で紹介されたスペイン広場へも寄ったものだ。

 この映画に製作会社は「ローマの休日」というタイトルを付けたが、巷間伝えられているように単純にローマ市内の新聞記者と王女の恋物語と思い込んでいたところ、タイトルにはもっと深い意味があることを番組で知った。番組では、新聞記者が同僚からこの王女と付き合って秘密の情報を知ったが、それを売れば金になるという誘いを断り、2人の秘め事をばらさなかったことと、一方の王女も気に入った新聞記者との恋を諦めたことは、正に‘ROMAN HOLIDAY’そのものだというのである。

 手元にある3千頁余もある分厚い小学館発行「ランダムハウス英和大辞典」をひいてみると‘ROMAN HOLIDAY’とは、「古代ローマで剣奴たちに刺し合いをさせて観客が喜んだ故事によるもの」との前書きがあり、「他人を不快にさせて得られる娯楽」とある。つまり記者が同僚を失望させたことと、王女が結婚を断ったことだと理解出来る。しかし、欧米人はこの含蓄はあるが、皮肉っぽい意味を果たしてどれほどの観客が理解していただろうか。日本人でもほとんどの人は真の意味は分かっていなかったと思う。実際番組出演者は誰も知らなかったし、専門家である大学教授の説明には皆一応に驚いていた。いつもこの番組で博識ぶりを披露するインテリ女優の宮崎美子さんも知らなかった。久しぶりに「目からウロコが落ちる」感じだった。

 さて、このところ新規感染者が増え続けている新型コロナウィルスは今日も荒れている。大阪では4日連続で新規感染者数が1,200人を超えた。東京では今月に入ってからずっと新規感染者数は前週の同じ曜日の感染者を上回っている。神奈川、埼玉、千葉、愛知県では同県内のいくつかの市を20日から来月11日まで「まん延防止等重視措置」の発出が認められることになった。

 今日午前菅首相がバイデン大統領との首脳会談のため、アメリカへ飛び立った。バイデン大統領の大統領就任後、最初の首脳会談となる。首脳会談は明日行われるが、会談の主要な問題は、対中国政策だろう。特に香港や新疆ウィグル自治区の人権抑圧問題が絡んでいるうえに、最近アメリカが台湾に急速に接近している点で、中国の神経を苛立たせている。恐らく会談後の共同声明発表では、バイデン大統領からの要請で台湾情勢に関して中国への注文が盛られるのではないかと思う。今後対中国問題は益々難しくなることだろう。

2021年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com