5075.2021年4月4日(日) 人間同士の争いはいつになったら止むのか。

 ミヤンマーでクーデターが発生後、連日のように国軍が武器を持たない市民を銃撃して死傷者を出している。国際社会は国軍に対して、スーチー氏ら拘束している国民民主同盟(NLD)幹部の身柄を解放することと、市民に対する武器の使用を止めるよう要請しているが、背後で中国とロシアの支援を受けている国軍は耳を貸そうとしない。

 実は、同じような非民主的なトラブルは今も世界のあちこちで見られる。シリアのアサド政権と反体制派やクルド人勢力との内戦は、すでに10年に亘って続けられ、この間40万人が死亡し、国外へ逃れた国民が6百万人もいる。中国国内新疆ウィグル自治区における中国政府によるウィグル族人権侵害などは大分以前から行われていた。

 ここへ来て脚光を浴びているのが、エチオピアの北部ティグレ州の少数民族に対する政府軍の襲撃である。600人を超える犠牲者が生れ、隣国エリトリアへ逃れ出た避難民も多い。根本的には部族間の争いがエスカレートした形になったわけであるが、少数民族を追い出したエチオピアのアビー首相は、ほんの2年前には驚くことにノーベル平和賞を受賞した人物だというからアビー首相は能ある鷹だったから爪を隠していたのだろう。しかし、ノーベル賞受賞首相が殺人鬼になるとは、ノーベル賞委員会も予想もしていなかったのではないだろうか。

 アメリカでもこのところ無謀な人種差別的暴力事件が後を絶たない。トランプ前大統領が在職中に軽薄にも新型コロナウィルスの感染をもたらしたのは「チャイナ・ウィルス」のせいだと再三強調したためにアジア人へのヘイトクライムが急増し、コロナが流行し出した2020年3~12月間に2,808件も報告されている。

 ジョージア州ではこんなことがあった。先月選挙の期日前投票で身元確認を厳格化して黒人有権者を制限する理不尽な法律が成立した。これには州の人口の内3分の1を占める黒人などマイノリティーの投票を妨げるとして国内各地で批判が相次いだ。黒人らは運転免許証など政府発行のIDカードを持つ住民が少ない。これに反対した大リーグ機構MLBは、ジョージア州アトランタで今年開催予定だったオールスターゲームの開催地を変更すると発表した。これに対して、人種差別論者のトランプ前大統領が、またまた愚かにも野球をボイコットしようと喚いている。

 こうしてみると人間とは、お互いに助け合い仲良くするという一面ばかりが話題になるが、お互いにいがみ合い憎しみ合い対立して徹底的に相手を攻撃し、命を奪うまでの残虐行為まで突き進む動物であるとの印象を受ける。それは原始狩猟民族だった民族の間で部族間闘争が激しかった時代と同じではないかと想像出来る。人類が殺し合いばかりやって、このまま時が進めば、いずれ究極的には人類は滅び、また46億年前の地球誕生時に戻ることになるだろう。

 習近平やプーチンら覇権国家のリーダーたちは、そんなことを考えたことがあるだろうか。自分たちが他国と戦争を始めることが、結局人類が滅び、地球誕生前に戻るということを胸に手を当てて冷静に考えて欲しいと思う。

2021年4月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com