5068.2021年3月28日(日) ミヤンマー軍、国軍記念日に更なる弾圧

 桜の花も今が満開の花見頃を迎えて、自宅近くの呑川(のみかわ)緑道に沿った長い桜並木が見事に花を咲かせている。生憎今朝は一時的に雨交じりの強い風が吹いていたので、散ってしまうのではないかと気になったが、昼過ぎには風雨ともに止んだ。もうしばらくの間桜を楽しませてもらえそうだ。

 さて、昨日ミヤンマー国軍記念日に首都ネピドーでは、ミヤンマー国軍が軍事パレードを行ったが。その後の式典でミンアウンフライン国軍司令官は、昨年の総選挙で不正があったにも拘らず、国民民主連盟(NLD)が放置したので、止むを得ずこのような行動を起こしたと自らを正当化し、あまつさえ「安定と安全に影響する暴力は不適切だ」と抗議のデモを見当はずれの言い方で非難する有様だった。その国軍は、普段は大人しいミヤンマー国民の間で抗議デモが収まらない腹いせだろうか、国軍は益々乱暴な手段に出てきている。軍の過激な行動に対して世界各国からも非難が浴びせられている。国軍記念日の式典にも、例年は30カ国以上の国家の代表者が出席していたが、今年は、中国とロシアを含む僅か8カ国しか出席しなかった。もちろん普段は良好な外交関係にあった日本も、駐在全権大使は出席しなかった。

 昨日は治安部隊が抗議のデモ隊に対して発砲し、クーデター勃発後1日にして最多の114人が殺害された。民家に押し入り無抵抗な住民に対して銃弾を放つなど、武器を持った兵士は正にキチガイに刃物で、普段温和なミヤンマー人らしからぬ手荒い行動に出ている。国連のグテーレス事務総長は無抵抗の子どもが虐殺されたことを強く非難し、「国際社会が結束して断固たる措置をとるよう要求する。この危機に対して緊急の解決策を見出すことが重要だ」として、国際社会が結束してミヤンマー国軍による市民への弾圧を止めさせるよう求めた。日本は茂木外相が、「ミヤンマー国軍・警察による市民に対する実力行使により27日に、これまでで最多の死者を数えるなど、ミヤンマーで多数の死傷者が発生し続けている状況を強く非難する」との談話を発表した。

 昨日が国軍記念日とされた経緯は、太平洋戦争が終結した1945年の昨日、それまで日本軍とともにイギリスから植民地解放のため戦っていた、南機関を主とする日本陸軍にビルマ軍が突然反抗し、日本軍との戦いに立ち上がった日である。その中心にいたのが、スーチー氏の父・アウンサン将軍だった。ヤンゴン市内の中心にボジョー・マーケットという買い物客で始終賑わっている市場があるが、ボジョーという名は「将軍」を表す言葉でアウンサン将軍を指している。ミヤンマーのすべての紙幣にもアウンサン将軍の肖像が描かれている。アウンサン将軍は独立の日を迎えることなくその前年に暗殺されたが、それほど父アウンサン将軍は、ビルマ独立の父としてミヤンマー国民から今も深く敬愛されている。スーチー氏への信頼と人気も父親に負うところが大きい。国軍としては、このままではアウンサン親娘の人気にはとても太刀打ちできないと覚悟のうえで、クーデターという強硬手段に出たのではないかと思える。

 四面楚歌に陥った国軍が頼ったのが、予想通り社会主義国とはとても言えない中国とロシアである。国連をはじめとして多くの国々から非難されているミヤンマー国軍にとっては、今や中国は覇権国家と化したが、ミヤンマーにテコ入れしたい社会主義国家を自称する中国が頼りだった。そして同じ脱社会主義国家で覇権国家のロシアもこれに同調した。人権や貿易問題で欧米など資本主義国家と対立している、覇権国家、帝国主義国家の中国とロシアが、ミヤンマーを足場にしてまた国際社会へ新たな難問を仕掛けて来るような気がして憂鬱な気分になる。

 今日は両横綱休場の中で行われた大相撲春場所が千秋楽を迎え、一時序二段まで陥落した関脇照ノ富士が3度目の優勝を果たした。これで来場所は大関への復帰が濃厚となった。メデタシ! メデタシ!

2021年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com