2622.2014年7月18日(金) マレーシア機撃墜とイスラエルのガザ自治区侵攻

 先日小中陽太郎さんにお会いした時、ゾルゲ事件についてドキュメントを書き始めたと言っておられた。そこで、作品の登場人物のひとりになるだろう山崎洋さんに、先日会ったばかりだとお話ししたところ、随分残念がっておられた。できるだけ生き証人か、或いは生き証人に近い人に取材して資料や情報の提供を得た方が内容も充実し、リアリズムが濃く表れてくる。

 今日小中さんからいただいたメールによると、まだどういう構想で作品を仕上げるかについては明確ではないらしい。ご自身が戦前、戦中に上海におられたので、ゾルゲや尾崎秀実の上海生活とダブラせられることがあるようだ。ストーリーは、山崎さんの母上が能楽堂で初めてブーケリッチ氏に出会った場面をスタートとされるという。早速ベオグラードの山崎さんに協力方を連絡したところ、好意的に次回訪日の際小中さんとも会って話をしたいとメールを送ってきた。 

 さて、今日の世界的ニュースはマレーシア航空機がウクライナで撃墜され、搭乗者298名が亡くなったことと、休戦明けのパレスチナのガザ自治区でイスラエルが地上侵攻作戦を開始したことである。

 前者は、ウクライナ・ドメツク地区の親ロ派武装勢力が、地対空ミサイル砲で撃ち落としたとウクライナ政府が公式に発表した。南米から帰ったばかりのロシアのプーチン大統領も流石に暗い顔で、ウクライナで戦争が起きなければこんな事故は起こらなかったなどという見当違いの言い訳を述べた。いくら言い訳を言っても無防備の民間航空機をミサイルでズドンとやったのだから、世界中の非難がロシアに向けられるのは当然である。親ロ派幹部は、事件はウクライナの陰謀だと関与を否定しているが、親ロ派武装勢力が使ったミサイルはロシア製であり、噂によると彼らは事故の解明の証拠品であるフライト・レコーダーまで持ち去ったらしい。国連も事故調査のために国際委員会を立ち上げるという。ロシアの立場はいよいよ苦しくなった。

 後者は、イスラエルによる地上攻撃が加えられ、ガザ地区で多くのパレスチナ人に犠牲者が出ている。この度の衝突では紛争の仲介者、エジプトのシーシ政権もアメリカも本腰を入れて解決へ導こうとの気持ちが感じられない。シーシ政権にとっては憎むべきイスラム同胞団のハマスに同情できない。また、アメリカも奥歯に物が挟まったような発言しか聞かれない。ケリー国務長官には、イスラエルにはテロリストの脅威に対して自衛する権利があるなどとイスラエルに肩入れした発言が目立つ。よほどハマス側が屈服でもしなければ、これでは解決しまい。そうだとすると戦闘もまず収まる可能性はない。

 イスラエルもパレスチナも訪れた経験から考えると、何事もないような顔つきをしていた両国国民が可哀そうでならない。

2014年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com