2624.2014年7月20日(日) スコットランドがイギリスから独立か。

 国内の秩序が比較的安定していると思われていたイギリスで、このところスコットランドの独立問題が一部で話題となっているようだ。今注目を集めているのは、The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandからスコットランドが分離独立する問題である。9月に行われる住民投票によって、そのままイギリスに残るか、或いは分離独立するかが決まる。

 寡聞にして知らなかったが、今からちょうど700年前スコットランド軍がイングランド軍を破ったバノックバーンの戦いの結果、その後約400年近くの間スコットランドは独立国だった。その後イングランドに統合され、現在のような1国4地域になったのは、第1次世界大戦が終わった後の1922年だった。従って、再び独立旋風が巻き起こっても一向に不思議ではない。ただ、近年イギリスにはそのような空気は感じられなかった。それが、スコットランド側にそれなりの理由があった。実は、スコットランドはイギリスの税収の9.5%を納めているのに対して、支出の9.3%しか戻ってこないことである。しかし、スコットランドがイギリスと事を構え、挙句に独立を言いだすとなるとイギリスだけの問題ではなく、国際的にも大きな問題である。スコットランドはイングランドとは地続きであり、経済的にも影響が大きい。最大の問題は、中央銀行と通貨である。スコットランドには中央銀がない。首都はエジンバラになるであろうが、そこに新たに中央銀行を設立する話もない。それ故自国通貨を発行する機関がない。世論調査では独立賛成派34%に対して、反対派が45%もいる。しかも、その差は広がるばかりなのである。現状は独立派の旗色は悪い。

 イギリスの通貨はポンドである。スコットランドは独立してもそのままポンドを使いたいと言っているが、イギリス政府は仮にそうなったら断じて使わせないと言っている。こうなるといかに住民投票で独立派が勝ったとしても、思惑通り独立国家となって機能を駆使できるのか気になるところである。

2014年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com