二男家族4人とともにご先祖の墓参りをした。来月奈良市内の病院で長男が腎臓の摘出手術を行うので、手術の成功と回復を祈って、中野にある近藤家の宝仙寺と妻川手家の多磨墓地へ出かけた。長男は知り合いの医師の言葉を信じて手術をあまり深刻に考えていないようだが、当人以上に周囲の方がよほど気になるものだ。入院中に妻と日帰りで見舞いに行くつもりだが、無事に終わってくれることを祈るばかりである。
さて、最近の安倍首相のわがもの顔の振る舞いと、安倍政権の家老どもの厚顔ぶりは何とかならないものだろうか。一昨日には、九州電力会長ら九州財界人との会合で、首相は出席者から九電川内原発の早期再稼働を何とかして下さいとの要請に対して「川内は何とかしますよ」といとも軽く応えたという。相も変わらず原発再稼働に前向きな姿勢を表している。再稼働には住民の賛意を得るとの約束なんかまるで念頭になく、自分がやってみせると言わんばかりである。
7年前に参院選挙で敗れて首相の座を投げ捨てた時の、しょぼくれた安倍首相が一昨年首相の座へ返り咲いてからの強気一辺倒の政局運営ぶりは、中々やるものだと思わせた。しかし、そこには国民感情を無視して自ら思うがままに振る舞う政権運営ぶりは、謙虚さがまったく見られず、7年の間によくもこれほど傲慢に性格が変わるものだと呆れるばかりである。やはり苦労知らずの甘ったれた世間知らずのお坊ちゃんだ。
今朝の朝日には民主党時代に財務大臣を務め、2012年に引退した藤井裕久氏が、消費増税のやり方が乱暴だと言い、法律違反を平気で犯す狼藉を働いていると厳しく非難している。一昨年3月に民主党政権が提出した消費増税法案は、民主、自民、公明3党の修正協議で合意したもので、目的税化を目指し、「消費増税は年金、医療、介護の社会保障給付並びに少子化に対処する施設の経費に充てる」とされた。それが、財界のご機嫌取りのため、法人税の実効税率を下げる方針が財源の確保もなしに決められた。本来の消費増税の目的税が目的外税に使われる可能性を秘めている。
これは、何も野党実力者の批判ばかりでなく、去る18日の朝日「オピニオン」のインタビューに、2003年に政界を引退したが、かつての自民党の剛腕幹事長・野中広務氏が「老兵は闘う」として、安倍政権に対して厳しい批判をしている。その照準は集団的自衛権であり、その決定の手順である。
野中氏の指摘は厳しい。「内閣の解釈で憲法の基本を変えるなんて本末転倒」「タカ派とハト派のバランスを保ってきた自民党から多様性が失われた」「戦争がどれだけ深い傷痕を残したか。もっと謙虚に検証してほしい。『戦後レジームからの脱却』と言って歴史を消してしまうやり方は間違っている」。
一事が万事、安倍政権のやることには筋が通らない。一強多弱の国会の勢力図がこのままである限り、この傲慢政治は続くことだろう。
同じようなタイプだった、亀井静香氏や古賀誠氏も安倍首相のやり方に批判的であるが、安倍首相や菅官房長官らは、この批判に対してすでに政界を去った老人たちと見て、歯牙にもかけない状態である。こういう謙虚さがない傲慢さが現政権の看板となった。一日も早く現状を正す必要がある。