2631.2014年7月27日(日) どうして原発を止められないのか。

 昨日は本当に暑かった。全国927観測地点のうち、猛暑日を記録したのは231地点で7月としては最多だったという。そのうち最高気温を記録したのは、滋賀県東近江市で実に38.8℃だった。今日も日中の雷鳴などの激しい気象変化もあって、昨日に負けずに暑かった。これから地球温暖化が進むに連れ、益々地球は暑くなるだろうから、その中で我々人類は目の前の灼熱地獄という敵に打ち克って行かなければならない。余計なエネルギーなんか使っている余裕はない。

 ところが、再稼働の動きを見せる原発に余計な心配とエネルギーを使わなければいけないようだ。先日川内原発が原子力規制委員会から新基準をクリアしたとのお墨付きを得られたことから、再稼働へ向けた動きが加速されるのではないかと危惧されている。そういう時に、薩摩川内市では今日原発立地から半径5㎞以内の住民4700人を対象にヨウ素剤を事前配布したとのニュースが流れた。放射能が漏れてきたら直ちに服用して甲状腺被ばくを防ぐ薬品である。どこの原発所在地周辺でもなかった、全国で初めての行為である。すぐにも放射能漏れがあるぞと言わんばかりではないか。随分無神経なことをやってくれるものである。とにかく原発反対派はもちろん、賛成派だって当然ながら放射能漏れが怖くて仕方がないのである。

 わが国の原発による発電は、東日本大震災前は全電力のうち32%だった。それが今ではほぼ0%に近い。世界で最も原発に依存しているのはフランスの73.7%である。フランスには地震もほとんどなく、火山もない。国民のほとんどが原発安全神話を信じているそのフランスで、今事故の際の避難計画が問題になり、その実施対策に頭を痛めている。ビュジェ原発近くで脱原発運動をやっている人は「重大な事故が起きれば大混乱は間違いない。避難計画が現実味に乏しいなら、原発を止めるのが筋」と主張する。原発にどっぷり浸かっているフランス人にして、その危険性に背を向けていられないのだ。

 それが日本では、地震、津波、火山噴火、台風と自然の危険の真っただ中にいることは疑う余地もない。日本の国土は年がら年中危険に晒されているのだ。危険極まりない。この危険な陸地に住む日本人にとっては、安全性の観点から危険な原発の稼働は常識的に考えたら考えられない。原発はこれまで費用面から安いコストをPRしてきたが、今では誰もそんなことは信用しない。福島第一原発事故を未だに解決、収束できず、数々の関連事故の発生のため後から後へと湯水の如く税金を注ぎ込んで高い費用のかかる原発を維持することに国を挙げて余念がない有様である。だが、日本では確かに火力電源用に原油の輸入が増えて経費は重なっているが、放射能漏れの危険はなくなるどころか増す一方なのである。金はかかるが、廃炉へ持ち込めば、確実に放射能の危険からは解放されるし、原発のゴミ問題にもさよならを告げることができるのだ。

 しかも、国民の半数以上が原発再稼働に反対している。この現状がありながら、どうして日本は思い切って原発を止めることができないのだろうか。一部の人間の金と利己主義とおもいやりのなさが、原発再稼働の動きに拍車をかけているのではないだろうか。

2014年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com