第1次世界大戦が勃発してから今年100年になるが、巷間言われているように戦争の引き金を引いたのは、オーストリア皇太子がサラエボでセルビアの一青年に暗殺された事件がその発端とされている。その事件が起きたのは1914年6月28日だった。だが、実際にオーストリアがセルビアに対して宣戦布告をしたのは、その1ヶ月後の今日7月28日だった。つまり第1次大戦は100年前の今日戦火が切られたことになる。
このところ理解に苦しむような多種多様な事件が頻発している。昨日は長崎県佐世保市の県立高校1年生の女生徒が、同じ1年生の女生徒に首と左手首を切り落とされる残忍な手口で殺された。昔はこんな残忍な事件はそれほどなかったように思うが、最近は眉を顰めるようなおぞましい事件が多い。
その点スポーツにはあまり嫌な事件は起きない。昨日千秋楽となった大相撲名古屋場所では、横綱白鵬がややよろめきながらも30回目の優勝を飾り、大鵬、千代の富士に次ぐ、最多優勝記録史上3位を誇ることになった。それにしても日本人力士の優勝者はもう8年以上も出ていない。国技も危うくなってきたものである。がんばれ!日本人力士!
一方、今全国各地で高校野球地方予選がたけなわであるが、京都大会では一昨日一時在学した平安中の付属校・龍谷大平安高が大差で優勝を決めた。甲子園出場は春、夏合せて71回目である。春の選抜に優勝しているので、今年は春夏連覇と夏の大会4度目の栄冠を目指してもらいたい。
昨日の地方大会では劇的な勝利で甲子園のキップを獲得した高校がある。石川県予選決勝で常連の星稜高は9回表まで8-0と追い込まれ敗色濃厚だったが、追い詰められた9回裏の攻撃で乾坤一擲一挙9点を挙げ、29年ぶりの出場を狙っていた小松大谷高に9x-8の逆転勝ちで、堂々と甲子園出場を決めた。こんな非現実的な逆転勝利は、理論上はあり得るが、ファイナル・イニングまでたったの2安打に抑え込まれていたチームが一挙に9点も獲得して、試合をひっくり返してしまうドラマチックな結末は今まで聞いたことがない。これだからひたむきな高校野球は止められない。
さて、そんな若者たちの精一杯の真っ向勝負に反して、何とも後ろめたいすっぱ抜き記事には唖然とするばかりである。かねてより政治家と財界の金の結びつきは裏で語られていたが、今朝の朝日第1面に取り上げられた、関西電力が歴代首相に毎年2千万円を献金していたドデカイ話には驚くではないか。
同社元副社長で長年秘書を務めていた内藤千百里氏が献金の事実を朝日記者へ明らかにしたのである。よほどの覚悟だったであろう。すでに91歳で、このまま冥界に事実を持って行きこの世から葬り去ったのでは悔いが残ると考えたのか、敢えて秘事を語り伝えた。現金を受け取った7人の元首相のうち、中曽根元首相を除いて全員がすでに黄泉の国へ旅立った。火の粉を降り被る恐れのあることでもあり、故人の関係者からは今更受け取ったという証言は得られない。刑事訴追されることも、証拠や証言も得られる可能性もなく、公表の事実だけが後世へ伝えられることになる。
やはりこれは電力会社のような国策会社のやり方として、政界との強い結びつきがあったことを伺わせる事実である。この業界には普通の競争原理ではなく、隠れた場所で政界への影響力が駆使され、効果を上げる別のスィッチがあったことは予想されていたことである。
こうなると、これからの原発政策の歩む方向はほぼ予測できる。今の体制と組織ではもうどうにもならないのではないか。原発稼働は政治家と電力会社との間の贈収賄で決まったようなものではないか。空しいことである。