先日日本ペンクラブ事務局から唐突に私に宛てたFAXが届いているが、送ってもよいかとお尋ねがあった。誰から送られてきたものかと問うたら、元早稲田出版の大塚靖敏氏からだというので、回送してもらった。その後大塚氏と連絡を取り今日5年ぶりに新宿のハイアット・リージェンシーでランチをともにした。
大塚氏には前著「停年オヤジの海外武者修行」上梓に当たり、制作過程で散々お世話になった。どういう事情があったのか知らないが、その後早稲田出版を辞められ、今では小さな映画配給会社のプロデューサーを務めておられる。一見して分からないが、一時鬱になり、奥様とも別れたと辛い胸中を話してくれた。拙著出版の際は、率直に打ち合わせをしてお互いに納得して本を作り上げることができた。気のせいか、以前ほど元気が表に感じられなかったのが気になったが、来月公開する自主映画「Marching-明日へ- 」の試写会を観賞してみて、気に入ったらチケットを買ってほしいということだった。できることなら、力になってあげたい。
今中国では各方面で自由な活動への規制が厳しくなり、習近平・国家主席による締め付けが激しくなり民主化は益々遠のいている。かつて政治局幹部として序列9位だった周永康・前常務委員が、腐敗摘発を理由に活動を停止させられ取り調べを受けているという。習近平体制になって監視が強化され、締め付けが一層厳しくなっている。そこへ今月になって一人の新聞記者の自殺が波紋を呼んでいる。指導者の名前を書き間違えたことから内部で批判を受け、それに悩んだ末の自殺と言われている。それ以前にも習近平・国家主席の名前を1文字間違えたことで2人の編集者が停職処分になった。
現在の習体制になってからメディア規制は強まるばかりで、全国の記者25万人に初めて記者免許更新試験を実施して、合格しないと記者証は発行されない。加えて記者証を発行する際に、記者との間で秘密保持を徹底するための情報保秘協定を結ぶことを義務付けた。これで優秀な記者ほど途中で辞めてしまうケースが後を絶たないと言われる。
中国は益々秘密性を押し付ける帝国主義化を推し進めている。これで世界の大国と呼べるのだろうか。