2641.2014年8月6日(水) 原爆投下69年目の広島

 広島に原爆が投下されてから今日で69年になる。メディアによれば、年々この日が何の日であるかということを知らない人が増えているという。今朝のNHKの発表によると広島市内の小学生ですら、今日原爆が投下された日であることを知っている割合が、僅かに半数を上回る55%程度だというから寂しいというより、恐ろしい気がする。20年前には75%の小学生が知っていたというから、確実に原爆の被災は風化しつつあるということだ。況してや戦争を知り、意識する子どもたちは確実に少なくなっている。小学生ならまだ許されるかも知れないが、大学生でピンとこない大学生としての自覚も本分も弁えていないような不届き学生がいるのには呆れる。大学生にもなって知識も貧弱なら、常識すら身につけようとの気持ちのない学生には、打つ手もない。結局わが国では戦争自体が風化しているということになるのではないか。これは空恐ろしいことである。

 実際今年になって集団的自衛権が、憲法解釈の変更で憲法第9条に抵触しそうな法律の意図的解釈もいとも簡単に閣議決定されてしまう。このあまりにも性急でひとりよがりの重要事項の決定手順は、戦争勃発や戦争の恐怖に疎い人でなければ厚顔にもできるものではない。安倍首相は集団的自衛権行使によって、反って戦争の危機は遠のいたと楽観的で独善的な主張を繰り返しているが、この安倍首相が唱える独善的好戦論は誰もが首を傾げる危うさを内包している。恐らく首相が今仮に小学生だとしたら今日が広島原爆投下の日だということには気付かなかっただろう。その程度の認識だと思う。

 かつて自民党内で右翼的言辞を弄していた実力者の古賀誠氏、野中弘務氏らは、戦争の恐ろしさを知っていたがゆえに、現在の安倍首相の好戦論に強い懸念を抱いている。安倍首相については保守的リーダーと自他ともに認めているようだが、何の理論武装もない安倍首相や現在の閣僚らには、軍備や国家の防衛について語るには、戦争の怖さを知らない恐ろしさが潜んでいるように思えてならない。

 今朝雨の中を広島市内の平和記念公園で行われた平和記念式典では、松井一実市長が平和宣言の中で、核兵器という「絶対悪」をなくすため、憎しみの連鎖を生みだす武力ではなく、未来志向の対話ができる世界を築く必要性を訴えた。オバマ大統領ら核兵器保有国の指導者には被爆地訪問を求めた。この松井市長のメッセージをその直後に演説した安倍首相は、どう受け取っただろうか。

 さて、今日は慶應病院で先日の人間ドックに引き続き、初めてMRI検査を受けた。ベッドに寝たままほんの20分程度で終わったが、煩いこと煩いこと、耳栓をはめていたが、その騒音には辟易した。明後日大腸ポリープ除去の後日にコメントをいただけることになっている。

2014年8月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com