今日は暦のうえでは立秋だというのに、暑さは益々強まる一方で、毎日こう暑いと動くのも嫌になる。日本各地で連日今年最高気温を記録している。ところが、台風11号の遅い進み具合により西日本地方は連日強い雨が降り続け、被害をもたらしている。その一方で東海から関東各地では強い日差しに軒並み、猛暑日、真夏日を記録している。確かに昨今の気象現象はおかしい。
昨日愛知県の私立高校の運動場で野球部員が練習試合の最中、突然の雷鳴により2年生投手が倒れ、そのまま緊急搬送された病院で亡くなった。雨が降らずに雷の音と光だけで、死に至る珍しいケースだと思う。悲しい筈の校長が青天の下で感電死するとは、青天の霹靂だと無神経な表現をしていたが、自然は何が起きても不思議ではないそうだから、雷が鳴ったらいち早く避難するより身を守る方法はない。
いま自然の猛威に対して身を守る方法が見つからないのが、西アフリカ地方で流行しているエボラ出血熱である。これだけ科学や医学が進歩していながら、この病を思うように克服できない。野口英世が黄熱病原菌を発見してからすでに90年近くが経つ。それ以来STAP細胞のような希望を抱かせるような羨ましい発見があったが、それも泡沫のごとく消え、近代社会では医学の進歩がまだ充分でないように思える。
現状では病原体から隔離するより手段がなく、従って感染者は放って置かれる有様である。最も感染者の多いシェラレオネ、リベリア、ギニアの他に、ナイジェリア、サウジアラビアにまで飛び火して感染地域は広がっている。これらの国との航空機運航便も一時的に停止している。治療に当たっていたアメリカ人医師のうち感染して帰国した一人は亡くなり、他の2人は入院中だという。西アフリカでは、すでに1711人が感染し、その内932人が死亡したと伝えられている。
WHOは緊急に会合を開いて対策を検討し、何とかエゴラ出血熱の拡大を食い止めようとしている。発展途上国では、衛生観念がまだまだ乏しいことが根底にあると思う。
ちょっと気になるのは、血液を体内に注入した場合に感染するとされていたエゴラ出血熱が空気感染すると噂が広がり、身近に感染者が出た医師が治療現場を去ることと、積極的にエゴラ出血熱の治療に当たる医師がいなくなることである。