4994.2021年1月13日(水) 1964年海外旅行自由化スタート

 新型コロナウィルス感染拡大により、海外からの入国者をほぼ制限する。一昨年まで倍々ゲームで海外旅行者が増え、同時に外国人の訪問も増えて観光景気を謳歌しつつあった日本もコロナのせいで、恰も鎖国状態である。

 そんな海外旅行気分が落ち込みつつある中で、昨晩NHK・BSで「アナザー・ヒストリー~夢の海外旅行が実現した日」を観た。第1部で1964年4月日本人の海外旅行が認められてから初めてのハワイ団体旅行の当時の様子や、参加者のその後の様子を観て、当時を想い出して懐かしく思った。第2部は、ガイドブック「地球の歩き方」の初代、及び2代目編集長の回顧談だったが、驚いたのは初代編集長が知人の安松清さんだったことだった。今も「地球の歩き方」に関わっているとは承知していたが、まさか初代編集長だったとは寡聞にして知らなかった。そして、第3部は、海外旅行自由化の翌1965年に横浜港から船でナホトカを経てシベリア鉄道でモスクワへ行き、更に北欧3国を訪れた作家・五木寛之氏の作家活動の原点に関する話だった。

 私が初めて海外へ出かけたのは、五木氏が出かけた翌年だった。アジア、アフリカのような観光受け入れ態勢が充分整備されていなかった当時の異国の地を、誰にも相談することなく自由に歩き回った。それらの旅行記は、最近上梓した「八十冒険爺の言いたい放題」に取り上げた。

 いみじくも五木氏はこう言っている。「レールの上を安全に走っていく、そういう旅は面白くない。出たら何が起こるか分からない、そういう旅もあっていい。生きているってそういうことだ」と言いつつ、自分を変えてくれる旅を勧めていた。五木氏の言葉に我が意を得たりの感を強くした。五木は初めての旅でモスクワのミーシャという不良少年に出会ったことが、処女作品「さらば モスクワ愚連隊」を書くきっかけとなった。

 やはり単にパック旅行で海外旅行をしたというだけでは、観光スポットを訪れ景色を見たというだけで、本当に外国の地を知るようになるとは思えない。やはり五感で接触して五感にピンと感じる旅でなくては、本当の海外旅行とは言えないと思う。

 今日下重暁子さんから近著「八十冒険爺の言いたい放題」を読んで面白かったとのお葉書をいただいた。彼女も旦那さんの駐在していたエジプトにおられたことがあるので、以前にも現地の話をしたこともあり、殊更アラブ・アフリカに関心を抱いておられたせいだと思う。

 コロナが世界中を暴れ回っているが、国内でも急激に感染者が増えたことから、8日に1都3県に発せられた緊急事態宣言が、今日関西圏の大阪、京都、兵庫の他にも愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県に発出された。最近言葉が軽くなった菅首相が、1か月以内に抑え込みたいと語っていたが、果たして思惑通りコロナ禍を収束させることが出来るだろうか。

2021年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com