2649.2014年8月14日(木) 思い出深いレーテッシェ鉄道の事故

 昨日山岳鉄道として世界的に人気のあるレーテッシェ鉄道がアルブラ線、サン・モリッツとクール間で土砂崩れに巻き込まれ脱線し、1両が谷側へ倒れた。幸い樹木に引っ掛かり谷底への転落を免れた。死者こそ出なかったが、11人が負傷し、その中に日本人が5人もいた。サン・モリッツからイタリアのチラノまでの路線は景色も素晴らしく、スイス・アルプスに目を奪われっ放しである。

 聞くところによると7月はかなり降雨量があったうえに、この数日相当の雨が降って大分地盤が緩んでいたようだ。この鉄道は風光明媚なゆえに、世界中から多くの観光客が押し寄せ、今では世界遺産に登録されているほど素晴らしい。ただ、2010年にも事故を起こし、その時日本人が尊い生命を落とした。短期間にこれだけ大きな事故を起こしたというのは、鉄道運行上抜かりがなかっただろうか。公共輸送機関は、念の上にも念を入れて事故を起こさないよう注意が必要である。世界的に有名な登山鉄道が僅かな間にこのような事故を2度までも引き起こすような杜撰な運行は、鉄道会社として経営責任とモラルが問われると思う。

 なぜこのレーテッシェ鉄道の安全性に拘るかと言えば、あまりにも素晴らしい車窓風景と乗り心地、世界遺産としての高い評価を考えれば、もう少し鉄道会社としても安全・安心に留意すべきであると考えている。

 このレーテッシェ鉄道は、1979年6月箱根登山鉄道と姉妹鉄道会社の契約を結んだ。実は、この時私は契約調印後にスイスから来られたハッツ専務の箱根案内役を務めた。そしてその直後姉妹提携記念ツアーで日本からの参加者を案内してレーテッシェ鉄道を訪れ、観光を楽しんだ。あの時は初めてイタリア側からサン・モリッツまで登山鉄道の旅を楽しみ、以後何度もスイス登山鉄道の旅を企画し、自分自身で案内することがあった。それだけにレーテッシェ鉄道に対する愛情と思いこみは強い。

 イメージダウンにつながりかねない今回の列車事故の原因を、会社は徹底的に究明し、運行には100%安全を期して運行し、2度とこのような事故を起こさないよう肝に銘じて欲しいものである。

2014年8月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com