4947.2020年11月27日(金) 三島由紀夫の人となり

 一昨日本ブログに三島由紀夫についてあれこれ書いたが、これを読んでくれた三島と面識のある高校時代の友人から三島の人となりについてメールで教えてくれた。彼の父親は知る人ぞ知る古代ギリシャ文学の巨匠・呉茂一先生である。辻堂の自宅には中村光夫や小田実らも出入りしていて、ギリシャ語の勉強会では三島もしばしば訪れ、帰宅時には夜道を友人が三島を辻堂駅まで送っていった。その道すがら三島と交わした会話が印象に残っていると知らせてくれた。その時の三島が中高生だった友人に話しかけた言葉が子どもに対するようなものではなく、非常に礼儀正しく丁寧だったと驚いている。テレビ等で伝えられる三島の言動が、彼が受けた印象とは大分隔たりがあり、今一つぴんとこないと書いてあった。三島が恩師・呉茂一先生に宛てた1枚の礼状のコピーを以前私ももらったが、世評と友人の実感が異なるのは、何となく分かるような気がする。人物描写やそれを受け取る人の気持ちなぞは、あくまで個人的なものであり、当然個人差がある。彼にはどうしても三島のテレビ像が、すんなりとは受け入れがたいと言っていた。

 ところで、今日も新型コロナウィルスに関する芳しくないニュースが伝えられている。話題の「GO TOキャンペーン」の取扱いについて、政府と各自治体との考えに隔たりがあるようですっきりした感がない。このところ菅首相が正面から応えようとしないことについて、メディアの批判もさることながら野党議員から厳しく非難されている。

 中でも小沢一郎氏がツィッターで熾烈なことを言っている。「記者会見をやりたくないというよりは、能力的にまともな会見ができない可能性が高い。質問内容を理解できず、うまく答えられないから、それでボロが出るのが嫌だから、周りも止めているのかも知れない~」とかなり手厳しい。これに続いて立憲民主党の蓮舫参院議員は、首相就任時に記者会見を1度開いたきりで官邸内へ立ち止まり、一方的に話すだけで記者の質問を顧みることがない姿勢を貫いているとその態度を批判している。実際このところ首相は、ぶら下がりはやるが、そこでは記者の質問には答えようとせず、言うだけ言うと逃げるようにその場を離れる。正式な記者会見はやっていない。今夕の朝日「素粒子」にも「この期に及んで記者会見ではなく、『ぶら下がり』で一方的に話して終わり。質問を避ける姿勢が見え見えで、首相の危機感が伝わるものか」と皮肉られている。今晩経済再生諮問会議を開き、その場の様子がテレビで伝えられたが、自分の言葉で語っている様子はなく、原稿を早口に読んでいるだけだった。総理になって自分のスタイルを出せず、官房長官時代よりスケールが小さくなってしまったような感じである。この先大丈夫だろうか。

 さて、母校慶應義塾の話で恐縮だが、慶大は2023年をメドに東京歯科大学と合併協議を始めるというニュースが今朝の朝日一面に掲載されていた。2008年に共立薬科大学と合併して薬学部を開設したが、今度は歯学部を開設しようという計画のようだ。これで総合大学としては初めて医系では医学部、看護学部、薬学部、歯学部の4つの学部が揃って文系・理工系も含めて11学部になるという。今後18歳以下の人口が減少していくことに対して、新聞記事では学生確保の狙いがあるという風に捉えているようだが、そうとばかりは言えないのではないかと思う。医学系の関連性のある学部がひとつの大学内にまとまって存在するのは、研究面や運用面でかなりメリットがあるからと考えたからではないだろうか。他大学は慶應の動きに対してどう考え、どんな独自の対策に取り組むだろうか。

2020年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com