4948.2020年11月28日(土) 過去最多の感染者とノーベル平和賞受賞者の強引さ

 相変わらず新型コロナウィルスの猛威は募る一方である。今日は全国で2,683人も新規感染者が出てこれまでで最多となった。新規感染者は第3波がやってきてから増える一方だが、最近特に懸念されているのは、重症患者が増えたことである。東京や大阪では重症患者の入院により収容病院のベッド数がひっ迫してきた。一昨日26日現在で重症者は435人となり、この半月の間に約2倍に増えた。昨日の死者は全国で31人となりこれも過去最多タイとなった。

 その最中にあって東京ディズニーランドでは、休園が長く続いて大きな赤字となり、従業員の解雇が実施されているが、本家アメリカのディズニーランドでも入園客の減少により、2期連続で赤字を計上し、現在20万3千人いる従業員の内3万4千人を解雇するという。そんなプレジャーランドが不景気の中で、日本でもかつて娯楽の中心地だった後楽園、現在の東京ドームが今揺れている。

 東京ドームが価値の高い資産を所有しながら有効に生かし切っていないとして、筆頭株主である香港のヘッジファンドがドームの社長らの解任動議を提出している。その買収価格が約1千億円と見られているが、これに対して株式公開買い付け(TOB)1,300円で友好的に買収に乗り出そうとしているのが三井不動産である。同社は、東京ドームがプロ野球巨人軍のホーム・グランドであることから、読売新聞グループに20%の株式譲渡をして連携を図るという。上場企業には、ちょっと油断しているとすぐつけ込まれて、気が付いたら他人の資産になっていたなどと笑えない結末になるケースがある。東京ドームも場所としては東京の中心にあり、交通にも恵まれていながら株主の目からはそれほど経営上のメリットが表れていないと見たのだろう。

 さて、今気になっている問題にエチオピアの軍事作戦がある。エチオピア政府軍による北部ティグレ州のティグレ人民解放戦線(TPLF)への軍事作戦が最終段階に入った。エチオピアのアビー首相が抵抗を続けるTPLFへ72時間の時限付で降伏を迫っている。理由はどうあれ、数の力で抵抗勢力を屈服させようとしていると受け止められている。気になるのは、以前にも本ブログに書いたが、この場面からは平和的な空気がまったく感じられないのである。

 アビー首相は、TPLFのために開けておいた最後の門は閉じられたとまで宣言しているのだ。ところが、このアビー首相は長年もめていた隣国エリトリアとの和平を実現した功績により昨年ノーベル平和賞を授与されたばかりである。その栄誉ある受賞者が、1年後には積極的に武力を行使して力で反乱軍を抑え込もうとしている。まるで平和とは正反対の強行的な手段である。流石にノーベル委員会も苦慮して、戦争が拡大しないようアビー首相に申し入れをしているようだが、それは難しそうだ。国連も事態を憂慮しているが、このノーベル平和賞受賞者は話し合いより即効的な解決を評価しているようなところがある。ノーベル平和賞にもこれまで地道に平和活動を行っていた事実より、国際的に注目される騒ぎを派手に一時的に解決した中心人物に目を向けられている傾向があり、それが不適当な人材を受賞者に選んでしまった原因ではないかと思う。政治家とは、欲の塊で利己的に動きつつ売名行為をする人物が多い。それを見抜くにはよほど対象者の経歴と活動を長きに亘って調査しなければ難しい。今年度以降の該当者には、極力現役政治家は避けて売名的な活動を行うような人物を選ばないことが求められると思う。アビー首相の例が好例である。これからエチオピア政府軍のTPLF掃討作戦がどう展開され、どれほど死傷者が生まれるのか気になるところである。それにしてもノーベル平和賞の評価も落ちたものだ。

2020年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com