2654.2014年8月19日(水) 歌舞伎を桟敷席で観劇

 「八月納涼歌舞伎」を妻と観た。昨年5月の新歌舞伎座杮落し以来だが、今日は桟敷席でゆっくり楽しむことができた。いずれも歌舞伎に精通したペンクラブの大原雄さんのお世話で席を入手してもらったものだ。

 学生時代に亡父のコネで何度か桟敷席で観劇したことはあるが、もう半世紀以上も昔の話である。新歌舞伎座の桟敷席は、東西それぞれ10席で40人限りである。2人で一室になって掘りごたつ型になっていて前にテーブルもあって寛げる。観る位置もやや高い場所にあり、角度的にも随分見やすい。

 出し物は、「勢獅子」と「怪談乳房榎」だったが、前者は常盤津に合せていろいろな夏祭りの踊りを披露してくれたが、後者は三遊亭円朝の口演もので、中村勘九郎の三役早変わりが売り物である。とにかく忙しい。舞台から消えたと思ったら、別の役で再び登場する早技趣向である。先代勘三郎が現代歌舞伎風にアレンジして、アメリカでも何度も公演し意外に好評を博した。今日はそのせいか幕間に花道で寸劇のような掛け合いをやったが、何とひとりの役者がしゃべったのは英語である。加えて相方がスマホを使用している。最後には滝の下でくんずほぐれずの取っ組み合いを演じて我々の前の座席には飛沫がかかる有様である。しっかり準備もして前部席にはビニールが配られる用心の良さである。生前勘三郎が旧来の古典歌舞伎の殻を破り斬新なアイディアとして曲芸まがいの芸を採りいれたりして、とかくの話題を呼んだ出し物のひとつだと思うが、古典歌舞伎に英語が話されるとは時代のなせる技だろうか。

 それにしてもお値段はやや高いが、桟敷席は極楽気分である。楽に観られて楽しい。1年に一度くらいは歌舞伎を楽しんで脳をクリーニングするのも健康のためにも良いかも知れない。妻もこんな楽しい歌舞伎は今までなかったというくらいぞっこんだった。

2014年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com